この年代の生活費支出について、前出・森田氏は、「外出なども減るので、現役時代の生活費の0.7倍を見込み額とするのがよい」とする。「歳を取るほど生活費が減る」ということも把握しておきたい。
60代後半の収支を差し引きした上で(ステップ【4】)、70歳時点での総資産額を導き出す(ステップ【5】)。
前述した70歳以降に備えるための目安となる「1300万円」を大きく割り込む見込みの人は、65~69歳に働いて「収入」を増やすか、生活の見直しで「支出」を減らすかして、ギャップを埋めることを考えたい。70歳以降は、働いて収入を大きく増やすといったことが難しくなるからだ。
◆介護費は夫婦で「年間40万円」
「さらに75歳以降は、生活費に加え介護費の出費がかさんできます。厚労省『介護給付費等実態調査の概況』の数字をもとに考えると、夫婦2人での介護保険サービス給付に対する自己負担額(1割負担)は年額約40万8000円にのぼります」(前出・森田氏)
そうした負担増も踏まえて、75歳時点での総資産を、それ以降の毎年の赤字額(収入-支出)で割ると、何歳まで資産がもつかが見えてくる(ステップ【7】)。