──「大人向け」の商品が増えている印象です。
佐藤:それは狙っていますね。スナックといえば、かつては“みんなでワイワイ食べるもの”という印象が強かった。しかし、これからは良くも悪くも「個食」の時代です。多様な現代人の生活シーンに寄り添える商品を作っていくことが大事です。
たとえば、北海道の今金町農協さんと協業し、収穫量が限られる希少なじゃがいもである「今金男しゃく」を使用した商品があります。このようなカスタムメイドの感覚が、令和時代のど真ん中を走っていく気がしています。いわば「オタクがセンターを張る時代」ですね(笑い)。
スマホが片時も手放せず、油で手が汚れることを嫌う若い方向けに開発した「ONE HAND」という商品もある。これは、ドン・キホーテさんのトップの方とお話ししている中でヒントを得て商品化しました。
──近年の健康志向の高まりは、スナック菓子に逆風では?
佐藤:アイディア次第でビジネスチャンスになり得ると考えています。たとえば、ローソンさんでの限定商品として発売した「ポテトの素顔」は、食塩不使用。いわば“すっぴんの素材”を活かした商品です。じゃがいもの旨味を楽しむのもよし、自分で塩こしょうやディップなどをつけてアレンジしてもいい。
この商品はノンアルコールビールと似たところがあって、これまで塩分制限などでポテトチップスを食べられなかった方から、「これでやっと食べられる」と感謝のお手紙もいただきました。これまでは一部での限定販売でしたが、販路を拡大していくことを検討しています。
また「ちょっとだけ食べたい」という消費者の方々のニーズを受け、人気商品のサイズダウン版も検討しています。時代の要求に併せて、リニューアルしていく余地はいくらでもあるんです。