自治体が実施する胃がん検診でも、50歳以上を対象に胃カメラを選択できるようになってきている。
2003年から胃がん検診で内視鏡検査が選択可能になった新潟市では、内視鏡検査の胃がん発見率がバリウム検査の3倍になった。
大腸がんの診断には、多くの自治体や企業で「便潜血検査」が一次診断として行なわれているが、現在では「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」の受診者も増えているという。
「便潜血検査は、便を採取して見えない血液(潜血)が混ざっていないかを調べます。『陽性』と診断された場合、5%程度の受診者に大腸がんが見つかりますが、痔や大腸炎など他の病気ということもある。また、結果が『陰性』であっても、便を採取する際に潜血が付着しなかっただけで、見逃してしまうケースもある。3割強の大腸がんに『陰性』反応が出るという研究結果もあります」(同前)
便潜血検査で大腸がんが見つかるのは、「3人に2人」というのが実情なのだ。
大腸内視鏡は、大腸がんの“予防”にも役立つ。
「内視鏡で大腸のポリープを発見し、悪性になる(がん化する)前に切除できれば、大腸がんの発生を未然に防げます。人によっては、S状結腸が長いなどの個人差があり、ポリープが内視鏡の死角に入ってしまう場合もあるが、それでもメリットは非常に大きい」(同前)
※週刊ポスト2019年7月19・26日号