◆五輪、憲法、防衛相は?
女の戦いも激しい。五輪担当相には「恥を知れ」の三原じゅん子氏や橋本聖子氏のほか、参院選で115万票近くを得た丸川珠代氏も再入閣の呼び声が高い。丸川入閣は来年の東京都知事選に小池百合子・都知事の対立候補として出馬させる布石ともいわれる。
さらに、安倍首相は内閣改造で本格的な「憲法改正」シフトを敷く。
「憲法担当大臣を新設する案が検討されている。その場合、自民党憲法改正推進本部長の下村氏や萩生田氏が候補でしょう」(有馬氏)
改憲のシンボルとするならいっそ、発信力が強い進次郎氏の「憲法大臣」就任で、内閣の新たな看板とする方がインパクトはあると首相が考える可能性もある。
それだけではない。参院選では自公と日本維新の会の改憲勢力で3分の2に届かなかった。そこで、人事でも野党切り崩しの“秘策”が練られている。旧民進党から自民党入りした移籍組の長島昭久・元防衛副大臣の防衛相起用構想だ。岩屋毅・現防衛大臣の後任人事として防衛相経験者の小野寺五典氏や下村博文氏、西村康稔・官房副長官の起用もあり得ると政治評論家の有馬晴海氏は言うが、長島氏の起用構想の意図を自民党幹部はこう語る。
「国民民主には、改憲賛成で自民党への鞍替えを望む離党予備群がかなりいるが、冷遇される不安があって踏み切れない。そこで長島氏を大臣にし、『自民党に移れば厚遇される』ことを見せつける」
国民民主から議員を引き抜き、改憲に必要な3分の2の勢力を確保する作戦だ。欲望丸出しで恥も掻き捨ての猟官ゲームが始まった。
※週刊ポスト2019年8月9日号