〈植民地時代のもっとも醜い部分のみが学校で教えられ、博物館で展示される。(中略)報道機関は自己検閲する。学者は、少しでもこの路線から逸れた意見を言うと、大騒動になって黙らされる。訴えられたり、罰金を受けたり、論文を却下されたり、仕事を失うことさえある〉(同前)
韓国には言論の自由がないと伝えているのだ。事実、この7月半ばには大統領首席秘書官や報道官が、日本の輸出管理強化以降、政権批判を強めていた「朝鮮日報」と「中央日報」を名指しして「売国的だ」と批判したが、それ以降、両紙から政権批判の記事はぱったりと消えている。
ウォールストリート・ジャーナル紙やタイム誌などに寄稿している韓国在住アメリカ人記者、スティーブン・ボロウィッツ氏は現在の日韓対立をこう見ている。
「韓国政府のスタンスは感情に突き動かされている。ここ数週間、韓国人と話をしながら、感情で大騒ぎしても外交でまともな議論は生まないと説明してきましたが、彼らは『被害者のことを考えろ!』と私にまで言うのです。韓国には、日本に対する敵意を永遠に維持し、断じて和解すべきではないと言う人々がいる。その少数の人たちが国家の政策を左右すべきではないと思うのですが……」
※週刊ポスト2019年8月16・23日号