「その場合は、いじめ防止対策推進法のコピーを持っていき、“申し出があれば学校は調査することを法律で決められていますよね”と言うのも手。それでも動いてくれなければ、弁護士に相談、あるいは転校も有効な手段です」
しかし転校ともなると大きな決断となる。もし迷ったら、次のことを判断基準にしよう。
「“お子さんはつらい思いをしましたね。一緒に解決しましょうね”など、子供の苦痛を受け止め、共感してくれる先生がいるかを見極めましょう。責任逃れをしたり、迷惑そうな態度を取る先生がいる学校は問題外です」
いじめは起きないに越したことはない。しかし万が一に備え、親子で一度対処法を話し合っておくのもおすすめだ。対処法として、アプリを利用するのも一つの手だ。
◆いじめを報告できるアプリ「ストップイット」
被害者や第三者が、親や教師を通さずに匿名でいじめを教育委員会に報告できるアプリ「ストップイット」が今、千葉県の中学校を皮切りに全国314校で使われている。このアプリは、学校がシステムを導入することで使えるため、まだの学校には、保護者から自治体などへ進言してみるのもおすすめだ。
導入している学校では、授業でアプリの使い方を教えるという。担当者とメールでやり取りをするのだが、証拠画像も添付できる。
報告を受けた教育委員会は、その後、該当する学校と連携を取りながら調査を進める。アプリ導入後は、いじめの相談件数が10倍に増えた学校もあった。
イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2019年9月19日号