「animal life千葉本店」。譲渡費用3万7800円は、保護期間中の医療費(避妊・去勢手術や検査、各種予防、ワクチン接種)や管理費の一部にあてられる

「店舗にいる保護猫たちは、ノミやダニの駆除、ワクチン接種、病気の治療、マイクロチップ装着、さらに、手術可能な月齢に達している子には避妊・去勢手術を行った上で新しい飼い主にお譲りしています」(イオンペット広報・石田智子さん)

「neco.LIFE HOUSE」はガラス張りで、猫たちが元気に走り回っている様子が見られる。

「ショッピングモールの中に施設があるため、いろいろなかたに保護猫の存在を知ってもらえるきっかけにもなっています」(石田さん)

 譲渡は基本、無料だ。ただし、「家族全員が飼育に賛成している」「毎日欠かさず世話ができる」など、譲渡には厳しい条件や審査があり、さらにペットを飼う際の心構えを学ぶための講習会を受けなければならない。

 日本におけるペットの保護活動は、いまだ多くのボランティアに頼っているのが現状だ。両社はペット用品の販売やトリミングサロン、動物病院なども運営しており、それらの収益を保護活動に回しているという。

「保護猫・保護犬をビジネスに利用していると、厳しい声を受けたこともあります。とはいえ、個人での保護活動は時間や資金などの関係で限界が訪れる可能性があります。ペットショップだからこそできる命の守り方で、1匹でも多くの保護猫・保護犬を新しい家族の元に送り出したいのです」(長野さん)

 ペットの飼い主も、“命の売買”について、考えるいい機会なのかもしれない。

※女性セブン2019年9月26日・10月3日号

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