洪水、停電などが起きると、医療機関は怪我人などへの対応に迫られ、持病がある人が十分な医療を受けられるとは限らない。
「台風や豪雨の予報を見て、自宅地域に警報や注意報が出ていたら、持病がある人は事前にかかりつけ医を受診して、2週間分程度の薬をもらっておくと良いでしょう」(前出・川島医師)
では、自宅の倒壊や浸水で避難所生活となった場合は、どうするべきか。
「処方された持病の薬はすべて持って行く。各自治体は、地域薬剤師などと提携し、備蓄薬を避難所へ速やかに供給するようにしていますが、自分がどの薬を飲んでいるかよくわかってない高齢者は少なくないため、『おくすり手帳』も必ず持参しましょう」(同前)
◆電波障害、道路寸断で「救急車が呼べない!」
台風15号による停電の影響で、千葉県内の一部地域では携帯電話がつながらなくなった。こうした場合、救急車が呼べない事態も想定される。
「東日本大震災時の状況を踏まえると、停電時に固定電話はもちろん、中継局も停止して携帯電話がつながらなくなることは十分考えられます。電話がつながる場合でも、災害時には搬送数が増え、受け入れられない事態もあり得る。
緊急時に搬送が必要になる可能性がある患者さんは、地域の搬送先の医療機関に『災害時の対応はどうするか』と相談しておくことが大切です」(同前)