国内

福島の廃炉作業、ヤクザがいないと進まない現実

神戸市の山口組総本部(写真/共同通信社)

 大規模災害の被災地に、誰よりもはやく駆けつけるヤクザ。東日本大震災のときに起きた、福島の原子力発電所事故の関連作業にも、欠かせない存在となっていたのだという。ヤクザ事情に詳しいジャーナリストの溝口敦氏と、フリーライターの鈴木智彦氏が、廃炉作業とヤクザについて語りあった。

溝口:鈴木さんは著書『ヤクザと原発』で、福島第一原発の廃炉作業を実際に体験して、廃炉事業にヤクザが関わっている実態をレポートしましたよね。本が出た後だったと思いますが、稲川会の人間が来て、「ワシらも除染作業に人材を出してます」と写真を持ってきて、必要なら使ってくださいと。売名のためじゃなくて、親切で持ってきてくれた。鈴木さんに遠慮して、記事にはしなかったけど(笑い)。

鈴木:ありがとうございます。福島の事故が起きる前に福井の原発関連で取材をしていて、暴力団が原発の作業員を出しているという話は聞いていたんです。その頃はまさか原発があれほどの事故を起こすなんて想像もしていなかったから、そのネタがあんまり刺さってこなくて、「ヤクザはいろんな工場に人を出しているから原発にも出すんだなあ」という程度の印象しかなかった。

 ところが、震災であの大事故が起きた。知り合いの東京の組事務所に福島から逃げてきた組員がいて、「廃炉作業に関係者がたくさん入っていますよ。俺たちも若いときは原発で働いていましたし」と言うので、調べていって、原発に作業員として入るルートを作りました。

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