皇室ジャーナリストの神田秀一さんも話す。
「高御座は、天皇のみが入れる聖域です。そこで即位を宣明するということは、歴代の天皇と同じ地位に並んだことの証。そんな歴史的な瞬間に立ち会えるのも、そうありません」
世界各国から参列する錚々たる顔ぶれも見どころの1つ。
平成の時は、イギリスのダイアナ元妃にチャールズ皇太子、フィリピンのアキノ大統領など世界のVIPが勢ぞろいした。今回もチャールズ皇太子をはじめ、サウジアラビアのムハンマド皇太子やトルコのエルドアン大統領、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問などの国家要人が参列する。前回を上回る190以上の国の元首や国際機関の代表が参列するとされる。
今回、平成の時と大きく変わったところといえば、両陛下が高御座・御帳台に昇られる際のルートだろう。平成は中庭に面した回廊までぐるりと回っていたが、今回は高御座・御帳台の後方から入室される。
「平成では参列者にお姿が見えないとの配慮から、高御座の前をぐるりと回っていました。しかし、本来なら、天皇陛下が見えないように高御座に昇られて、侍従2人が御帳を開いて初めてお姿が現れるようにするべき。平成の方がイレギュラーなのです。今回は賓客用に200インチの大きなモニターが宮殿の中に設置され、お姿も見やすくなったため、本来の形に戻したようです」(高森さん)
なお、高御座とは、天皇陛下が即位を宣明される玉座。高さ約6.5m、重さ約8tで、黒漆塗りの壇の上に、金色の鳳凰などが飾られた八角形の屋根が据えられている。高御座には、皇位の印とされる「三種の神器」のうち、剣と璽(勾玉)が安置される。
※女性セブン2019年10月31日号