トランプ大統領の来日歓迎行事での天皇皇后両陛下とメラニア夫人(撮影/横田紋子)
トランプ米大統領は「(妻の)メラニアは美智子さまを大変尊敬しています」と語ったことがあるほど日本の皇室への敬意を示している。5月、令和初の国賓として来日した際には「上皇上皇后両陛下はいかがお過ごしですか」と身を案じ、その後雅子さまと歓談される中で、その堪能な英語力に感嘆していた。帰国の途に就く時には、「(両陛下は)リーダーとして素晴らしいだけでなく、カップルとしても素晴らしいと感じました」と最大限の賛辞を述べた。
◆女性の活躍の象徴的な存在に
そうした力学とは無縁のところに、皇室の魅力を見出す人も少なくない。東京という人口過密都市にあって、緑豊かな皇居はそれだけで神秘性があり、一切の無駄がそぎ落とされた日本独特の「美」を宿している。
日本の宮殿は、ヨーロッパの王宮や中東の宮殿と比べると、壮大さや豪華さにおいて遠く及ばないものも多い。しかし、簡明な美と安らぎを醸す独特の華やぎの空間として世界に比類ないものだという。
「過度な装飾を排し、会談の場には花瓶1つだけを置くような『引き算の美』に、装飾を重ねる美に慣れた外国要人は、感銘を覚えるのです」(皇室記者)
そうした場所に、政治的な駆け引きや対立を超えて、各国の代表が集まることができる。そこで顔を合わせることで、和解や平和への道が拓けるかもしれない──それこそが、日本の皇室の持つ力であり、奇跡であるかもしれない。
トランプ米大統領夫妻を接遇された際、海外メディアもこぞって、雅子さまが名門米ハーバード大学を優秀な成績で卒業され、外務省で活躍されたことを報じた。
それからというもの、「天皇皇后両陛下に謁見したい」という各国要人からの申し出が後を絶たないという。雅子さまは諸外国に類を見ない日本の皇室の「唯一無二のエンプレス(皇后)」なのである。
国際親善は時代とともに多くなり、皇室の活動におけるそのウエートも日に日に大きくなっていく。そうした中で、雅子さまはどのような取り組みを進められるのだろうか。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんは言う。
「世界的に著名な外交官の子女であり、ご自身も優秀な外交官であった皇后陛下は、皇室にお入りになるまで長年外国で生活されていたこともあり、豊かな国際感覚をお持ちであることは言うまでもありません。国際プロトコールも理解されており、その感覚はこれからもずっと生かされていくでしょう。
皇后陛下が外国の元首夫妻に対して堂々と対応されるお姿を誇らしく思う国民は多いでしょう。日本は女性の社会進出が遅れているといわれている中、働く女性にとって皇后陛下は励まされる存在になるでしょうし、日本女性の象徴的存在になっていかれると思っています」
雅子さまは10月22日、その存在感を、広く世界に示されることだろう。
※女性セブン2019年10月31日号