国内

天皇制の論議は「憲法論の枠内」で考えてはならない

中央委員会総会であいさつする共産党の志位和夫委員長(時事通信フォト)

 新天皇の即位礼が近づき、天皇制や元号へ考え方、向き合い方がクローズアップされる機会が増えている。評論家の呉智英氏が、天皇制論議についてあらためて振り返り、その淵源を求めて考えた。

 * * *
 二十二日の新帝即位礼を目前にして各紙に関連記事が出ている。

 十月十日付産経新聞は見出しを「共産党 ご即位儀式欠席」「閣僚認証式には臨む構えも」として、共産党の中途半端な“転向”ぶりを皮肉っている。

「『2004年綱領』に『天皇の制度は憲法上の制度』などと明記してから軟化している」「6月4日付の機関紙『しんぶん赤旗』のインタビューで女性・女系天皇に賛成すると明言したのもその一環だ」。また「共産党幹部は『認証式は(憲法に基づく)国事行為だから出席する』と明言した」

 要するに、共産党は護憲主義であり女性の社会進出にも賛成だから、その点に関しては天皇制を認めるということらしい。

 記事の最後は「しかし、従来の『共産党らしさ』が失われることを心配する支持者も少なくないとみられ、ソフト路線化は組織の土台を揺るがす危険」もあるとする。

 同日付朝日新聞では「考・令和の天皇」として「慰霊のあり方 議論必要」というインタビュー記事を掲載した。発言者は近現代政治史を専攻する吉田裕である。

「今年8月、初代宮内庁長官だった故田島道治の『拝謁記』が明らかになり」昭和天皇は「『反省といふのは私ニも沢山ある』と戦争への反省を語った」。さらに「来日した全斗煥大統領に」「植民地支配に遺憾の意を示し」「日本の加害責任を認めた」。「ただ、本来こうしたメッセージは、政府が発すべきもの。政治的権能を持たない天皇が戦争への反省を『代行』している形になって」いる。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン