国内

山口組分裂抗争 「68歳ヒットマン」出動の衝撃

銃撃後、警察に取り押さえられる丸山容疑者

 10月は即位の礼が行なわれるためヤクザは抗争事件を起こさない──世間の予想は覆された。これにより山口組の分裂抗争は、全国の暴力団と警察を巻き込み、ヤクザ社会そのものを揺るがす事態に急展開した。その号砲を鳴らしたのは、68歳の高齢組員だった。新著『教養としてのヤクザ』(溝口敦氏との共著)が話題のフリーライター・鈴木智彦氏がレポートする。

 * * *
 10月10日、神戸山口組の中核団体・山健組は定例会を開催していた。全国の直参組長が集まって行なう幹部会のことである。

 約2か月前の8月21日、JR神戸駅近くにある六代目山口組の中核団体・弘道会の拠点前で、バイクに乗ったヒットマンが弘道会組員を銃撃している。実行犯は特定されていないが、今年4月に山健組の若頭が、弘道会組員に刺されていることもあって、警察はこれを山健組による報復である可能性が高いとみている。

 分裂抗争の主力部隊である六代目山口組の弘道会vs神戸山口組の山健組の直接対決によって抗争が激化しているため、実話誌のカメラマンたちは神戸市中央区にある山健組前に集まり、出入りする幹部たちの写真を熱心に撮影していた。加えてこの1か月半、五代目山健組を継いだ中田浩司組長が組の行事を欠席しており、その姿を現認できなかったという事情もあった。

 対立する六代目山口組サイドからは「神戸山口組のトップで、山健組の先代・井上邦雄組長と、中田組長の不仲説」が盛んにリークされている。残念ながら中田組長はマスコミの前に姿を現わさなかった。定例会も終了し、事務所前に張り込んでいた警察とマスコミはそれぞれ帰途についた。

 事件はその後に起きた。午後2時半過ぎ、事務所に隣接する駐車場横の路上で、2発の銃声が鳴り響いたのだ。通りかかった50代の男性は現場に停まっていたシルバーのセダンと、その車内を捜索する警察官の姿を目撃している。

関連記事

トピックス

女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン