◆“ステップファーザー”は実父の何十倍も準備が必要
今年7月の参院選で初当選した参議院議員の音喜多駿さん(36才)も継父のひとり。大学卒業後、外資系企業でのサラリーマン生活を経て都議会議員になった音喜多さんは議員活動のため訪れた都庁にて、のちに妻となる江東区議の三次ゆりかさん(34才)と出会った。
「妻は当時、7才の娘がいるシングルマザーで、つきあい始めてからは常に3人でデートしていました。娘のためにも中途半端に仲よくなるより“新しいパパ”になろうと腹をくくり、交際半年で結婚を決めました」(音喜多さん・以下同)
交際中にステップファーザーの専門書を読破し、そこで学んだことを実践したという。
「妻と価値観を共有するため、エクセル表に『何を優先したいか』『週に何度ごはんを一緒に食べたいか』などを記し、お互いの考えをすり合わせました」
2015年11月、婚姻届とともに娘との養子縁組届を提出した。結婚と同時にパパとなった音喜多さんが自らに課したのは、「永遠の二番手」を受け入れる覚悟だった。
「子持ちの女性と交際する男性は、『なかなかふたりきりになれない』『子供の発熱でデートをドタキャンされた』など、自分が一番じゃないことに悩むケースが多い。でも子供を最優先するのは母親には当然のことであり、『永遠の二番手』になる覚悟がなければシングルマザーとの交際や結婚は諦めるべきです。結婚後も妻にとって一番は断然娘でしたし、娘にいたっては『ママ、じいじ、ぢゃぢゃ丸(ペットの犬)、僕』の順でした」
そう苦笑する音喜多さんが父親になってうれしかったこととして振り返るのは、一緒に生活するようになった数か月後、家族でのドライブ中に起きた出来事だ。
「ずっと僕を『オト』と呼んでいた娘が突然『ねえパパ』と口にしたんです。娘はすぐ『パパパ、パトカー』とごまかして、『今パパって言ったでしょ』という妻のツッコミに『呼んでないよォ』と照れていました。すでに僕のいないところでは『パパ』と呼んでいたらしく、父親として認められた気がして本当にうれしかった」