夫婦喧嘩の罵り合いは度を超えると修復不可能に

夫婦喧嘩の罵り合いは度を超えると修復不可能に

(5)仕事

“パートのくせに”

 家庭を切り盛りしながらパートタイムで仕事もすることを軽んじている夫は、妻の仕事に対してはもちろんのこと、家事や育児などについても、価値や意義を理解していないことが多いはず。もし夫が職場勤めであれば、パート職として働く同僚のことも軽んじているかもしれない。

“オマエの仕事なんて大した仕事じゃないだろ!”
“あなたが仕事をして、同じぐらい稼いでくれたら、主夫してやる”

 仕事に貴賤はない。ましてや仕事に携わる妻を応援するどころか蔑む理由など、一つも見当たらない。

(6)妻の尊厳

“家政婦以下”

 家政婦は立派な仕事だが、人生のパートナーである妻を家政婦と表現する場合は意味が違ってくる。妻の存在ではなく、家事をこなす機能しかみていないことになる。さらに、家政婦以下などと言われれば、存在そのものを否定されたような気持ちになるはずだ。

“誰のおかげで生活できてるんだ!”
“飯炊き女”
“インフルエンザの時になんで俺の夕飯ないの? と言われた”

 もはや説明もいらないほど、酷い言葉ばかりだ。

 これら「許せなかった一言」を放ってしまう夫側の事情はわからない。しかし、どんな事情であれ、妻の心には一生の傷が残ってしまう。やはり決して放ってはいけない言葉であることに変わりはない。

 一方、「許せなかった一言」を放ってしまった罪が消える訳ではないが、「許せなかった一言」に回答した人の94%が、「言ってくれると嬉しいと思う一言」にも回答している。

 しかしこちらは、6つに分類するまでもない。半数以上が同じ、たった一つの言葉だったからだ。これまで何万件ものフリーコメントに目を通してきたが、こういうことは極めて珍しい。

 その一言とは、飾り立てた、歯の浮くような美辞麗句などではない。誰もが知っている言葉。心のこもった“ありがとう”だ。

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