8月29日の放送では、乃木坂46の元メンバーである生駒里奈をマドンナに迎え、2泊3日で札幌から路線バスを乗り継ぎ、ゴールの網走を目指した。
1日目、バスの車中で「乃木坂46はAKB48の公式ライバルとして立ち上がった」などと生駒が話している流れで、太川が蛭子に「どう思う?」と振った。
蛭子:別にそんなにどうも思わないけど、喧嘩するシーンはいっぱい見たいです。
太川:見たい? 人が揉めることが好きなの?
蛭子:好き。それはもう、好きでしょうよ。人が揉めて、自分に関係ないのが1番いいじゃないですか。
太川:自分に降り掛かってくると嫌だけど、人が揉めてるのは好きなんだ。
蛭子:揉めてるのは好きですよ、そりゃもう。
太川:昔、平和主義だって言ってなかったっけ?
これは、偽らざる人間の真理ではないか。
2日目の午前中、昼に何を食べるかという話題になった。北海道に本社を置くコンビニ『セイコーマート』の弁当を推す生駒に対し、太川はラーメンを食べようと提案。一度は生駒の意思を尊重しようとしたが、「セイコーマートがあれば」という言葉に「両方チャンスがあったら、どっちを取るか」と決断を迫る。圧力を感じたのか、生駒は「う~ん……その時考えますけど、ラーメンですかね」と回答。
会話は太川の咳払いのような溜息で途切れる。「何、この空気? 大丈夫なの!?」というナレーションが入るほど、険悪な雰囲気が漂った。
いざ旭川駅前に到着して昼食を取ろうとすると、バスの案内所で勧められたラーメン屋が満員で入れない。生駒は笑顔で、太川は仕方なく、蛭子は表情を変えずにセイコーマートに向かう。その途中、太川が蕎麦屋を見つける。2人を呼び止め、「蕎麦と(コンビニの)弁当だったらどっちがいい?」と聞いた。
蛭子は明確な回答を避け、「早い方でいいです」と委ねる。生駒が「弁当で」というと、蛭子も「じゃあ俺も弁当」と乗った。太川は渋々と「30分あったら蕎麦屋行けんじゃん」「なんという2人だ。食べ物にこだわりがなさ過ぎるんじゃねえの」と呟きながら、再びセイコーマートへ歩いていった。
これには、ネット上で太川の態度が大人げないという声も出ていた。しかし、逆に言えば、視聴者が思わず感情を発したくなるほど画面に引き付けられたことの裏返しである。このハラハラ感こそ、『バス旅』に求められているのではないか。