20世紀より前には、ほとんど症例がないというアレルギーが世界各国に広まったのは、1945年に終戦を迎えた第二次世界大戦後とされている。1940年代に米国でアレルギー学会が設立されたのを皮切りに、日本では1952年、韓国では1972年、中国では2000年代に設立された。

「衛生状態が改善する一方で大気汚染が進行するなど、あらゆる環境要因がアレルギーを引き起こす原因になっていると考えられています。生活が近代化するとともに、多くの人にとって身近な存在となったのです」(海老澤さん)

 まさに“現代病”と呼べるこの症状を知るため、まずはその仕組みを簡単に説明しよう。

◆くしゃみが出るのは寄生虫を追い払うため

 気管支ぜん息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなど症状はさまざまだが、体内で発症している原因はいずれも「免疫システムの暴走」だ。

「もともと人間には、細菌やウイルスなど人体に悪影響を及ぼす可能性のある異物を排除して、体を守ろうとする仕組みが備わっています。それが『免疫』です。ところが最近は、食物や花粉など、排除しなくてもいい対象にまで過剰に反応することがあり、それが、くしゃみやかゆみ、炎症などのアレルギーを引き起こしてしまうのです」(海老澤さん)

 免疫のシステムの中でも、「IgE(アイジーイー)抗体」という物質は、本来、ギョウ虫やダニなどの寄生虫を排除するために発達したといわれている。日本機能性医学研究所所長で医師の斎藤糧三さんが解説する。

「鼻が詰まるのは、寄生虫が体内に侵入するのを防ぐため。鼻水が大量に出るのは体の外へ押し流すためで、かゆくなるのは、寄生虫を指でかき出させるための反応です。一般的に“アレルギー”と呼ばれる症状はIgE抗体がかかわっています。生活環境や大気汚染による影響のほか、免疫調整を行うビタミンDが欠乏していることも要因となり、寄生虫対策だったはずのIgEによるアレルギーが近年増えています」

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