国際情報

歴史捏造教育告発本が韓国でベストセラーになった画期的意味

韓国史に残る事態が発生中

「歴史に学べ」という言葉がある。だが、学ぶように推奨されている歴史が捏造されたものだとわかったら、どうなるか。作家・井沢元彦氏による週刊ポストの連載「逆説の日本史」より、韓国で歴史捏造教育を告発した本がベストセラーになっていることの意味を紹介する。

 * * *
 現代の韓国できわめて重大な動きがあったのでお知らせしておきたい。これはひょっとしたら歴史の分岐点として韓国現代史、いや韓国史の年表に将来特筆大書されることになるかもしれない事件であるからだ。

 それは、韓国の歴史学者(近代経済史専攻)である李栄薫(イ・ヨンフン)ソウル大学名誉教授が代表著者となって発表した単行本『反日種族主義』が、十万部を超えるベストセラーになったことだ。李教授はこれまで韓国では、「親日派の売国奴」として知られていた。いや、これも正確に言おう。現代の韓国では「親日派=売国奴」である。その反日体制の頂点に立つのが現在の文在寅大統領である。

 反日は「絶対の正義」であるから、日本は何が何でも「悪」でなければならない。だから歴史教育においてもこの原則は貫かれている。すでに述べたように、韓国はずっと中国の「属国」であったというのが真実の歴史だが、子供たちには「朝鮮半島の国家は悠久の昔から独立国であったが、それを唯一邪魔したのが日本である」というデタラメを教えている。

 その反証となる「大清皇帝功徳碑(だいしんこうていこうとくひ)」の碑文が文政権下において塗り潰されていたことは、『週刊ポスト』十月四日号で証拠の写真入りでお伝えしたとおりだ。だからこそ文大統領は日本が韓国をホワイト国から除外した程度のことで「盗人猛々しい」と罵るわけである。彼らにとって日本は「絶対悪」であるからだ。国民のほとんどすべてがそう信じているからこそ彼は大統領になれた。

 その背景には、戦後の韓国がずっと行なってきた歴史捏造教育がある。何が何でも日本は「悪」だと国民を「洗脳」する教育で、これには保守も革新も無い。ここも正確に言うと、北朝鮮寄りの左翼勢力は最初から完全な歴史捏造教育を行なってきたが、保守的な右派勢力は表向きはそれに賛同するものの裏では「国民を団結させるためのやむを得ぬ方便」という意識が少しはあった。だから保守派においては昼間の公式発言と夜間の宴席の発言はまるで違うということも一昔前はあったのだが、いまやそういう風潮は完全に姿を消した。

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン