日本にもかつて「ソビエトは労働者の天国。中国の文化大革命は人類の偉業。北朝鮮はこの世の楽園」などと報道し教育し、日本人を洗脳しようとしていたジャーナリストや知識人がいたが、本当に彼らの陰謀が成功しなくてよかったと、つくづく思う。ただし、その残党はいまだにマスコミ界に跳梁跋扈しているので、日本国民は二度とだまされないように警戒すべきだろう。
見分けるのは簡単だ。もうおわかりのように現在の日韓関係悪化については、日韓基本条約という国と国との約束を守らない韓国にすべての非があり、これは国際的常識でもある。そして、なぜ韓国がそんな国際的信用を失うような愚かな行動に出るかと言えば、李教授が徹底的に批判しているように反日を国是にしてしまったからだ。だから、そんな政権とは一切妥協すべきでは無い。にもかかわらず「日韓友好」とか「国際協調」とか耳触りのいい言葉を唱えて韓国いや文政権を擁護するような人間は、北朝鮮の支持者かあるいは何も事情がわかっていない無知な人間と考えるべきだろう。
かつて、そういう連中は北朝鮮についても「平和愛好国家」で「ミサイルでは無く人工衛星の実験」で「北朝鮮は日本人拉致などはしていない。そんなことを言うのは右翼だ」と主張していたことを、どうかお忘れなく。
それにしても情け無いのは、韓国のマスコミだ。歴史家が過去の真実をあきらかにする義務があるように、ジャーナリストは現在の真実をあきらかにする義務がある。にもかかわらず韓国のマスコミは、反日という国是に協力するだけで義務を果たそうとしない。私の知る限りでは、反日という韓国を滅ぼしかねない国是に対して批判的な韓国マスコミは存在しない。
将来、歴史年表を作るとしたら二〇一九年の韓国の欄には、「この時代、韓国には真の歴史家はいたが、真のジャーナリストは存在しなかった」と書かねばならないだろう。情け無く悲しい話だ。もっと悲しいことは、それが民主主義国家における最大の不幸の一つであることを、当の韓国民が理解していないということである。
※週刊ポスト2019年11月22日号