本誌は仕事帰りのB警部補を直撃した。「何も話せません」と困惑するB警部補だが、裁判記録を確認していることを告げると、観念したように話し始めた。
「不倫は私の不徳の致すところです。しかし処分は納得できない。はたからは両成敗に見えるかもしれませんが、現実は違う。警察組織では、不倫の発覚は昇格の永久停止を意味します。とりわけ男性に厳しく、来春にも私は交番勤務に左遷される見込みです。一方で彼女は異動もなく、脅迫行為も問題にされていない。
2人で旅館に宿泊した際、偽名で泊まったことが旅館業法違反に当たるとして、彼女に告訴されました。私も同罪で訴え返し、共に送検されて不起訴になりましたが、私の処分にのみこの件が理由の一つとされている。
なにより私が納得できないのは、監察官がA巡査長への個人的な私情を優先していることです。私がA巡査長と関係があったとき、彼女はよく監察官からのLINEを見せてくれました。1対1で飲みに誘う文面も多数含まれていた。今回の聴取や処分は、こうした2人の関係が影響したとしか思えません」
A巡査長にも話を聞いたが、何を聞いても無言を貫き通し、去って行った。
一連の騒動や、B警部補の主張する「不公平な処分」について愛知県警に質すと、こう回答した。
「係争中につき、詳細なコメントは差し控えさせていただきますが、ご指摘されたような(処分が不公平という)事実はありません」(広報課)
組織の秩序なく社会の秩序が守れるか。
※週刊ポスト2019年12月13日号