当日は朝からリハーサルに立ち合い、本番を迎えます。お弁当もありましたが、控え室にはアッコさん(和田アキ子)の特製おにぎりや北島三郎さんのおいなりさんといった差し入れがずらりと並んで人気でした。
2004年は、『マツケンサンバII』や五輪の公式ソングだったゆずの『栄光の架橋』で会場がひとつになった。韓流ドラマの全盛期で白組は冬ソナ主題歌、紅組は『美しき日々』の劇中歌を披露して、主演のイ・ビョンホンさんもゲスト出演しました。彼の出番は2分ほどでしたがプロ意識が高く、カメラ位置などリハーサルは1時間くらい入念にしていました。その後フリーになって民放で再会したら、「紅白ではありがとう。あの時の国民的な司会者でしょう?」と日本語で挨拶してくれました。
勝手知ったるNHKホールですが、当日はカメラが10台以上並んで、紅白特有の異様な空気に包まれる。言い間違いがあってはならないと緊張しましたし、「毎回1秒2秒遅れたら積もり積もって歌手ひとりぶんの時間になるんだから」ときつ~く釘を刺されました。ただ、僕はお客さんの反応がいいほど燃えるタイプ。裏では「堀尾を黙らせて~!」なんて始終、怒号が飛び交っていました(苦笑)。
一瞬たりとも気を抜けない本番ですが、いちばん大事だと言われたのがエンディング。『蛍の光』の大合唱が終わってピューンと金のテープが発射されるまでは緊張感を保てよ、と。11時45分に放送が終わった瞬間に舞台の撤収が始まり、その後は出演者もスタッフも食堂へ移動して300人近くで盛大に打ち上げをします。