元々アメリカンフットボールは、スポーツの中でも「データ主義」であることで知られている。プレイ戦術を多数用意し、その戦術が成功する確率などをはじき出した上で、監督や主軸選手の指示に従って組織的にプレイすることが求められる。そのデータは、過去にはプレイしている選手達の頭の中にしかなかったが、中継技術とCGの発展によって、テレビで中継を見ている視聴者にも見られるようになったのだ。
またAWSとNFLは、12月5日、新たに長期的な提携をすることを発表した。次の狙いは判定ではなく、「怪我の抑制」だ。アメリカンフットボールは激しい身体接触を伴うスポーツであるため、怪我が多く発生する。特に頭部に関わる怪我は深刻な結果につながる場合も多い。そこで両社は、数十年にもわたるデータを集積・解析した上で、頭部を中心とした怪我の発生状況と、その発生を抑制できる安全性の高いヘルメットの開発を開発する、としている。
◆デジタルで変わる2021年のF1
同様に、AWSを活用しているのが、カーレースの「F1」だ。F1は現在、中継の中に「F1 insight」という要素を採り入れている。これは、レースに参加する車に搭載したセンサーから多数のデータを取得し、それによって、レースをよりわかりやすくしよう、という取り組みだ。車の順位やタイム差などの表示はもちろん、タイヤがどれだけ傷んできているか、前の車を追い抜く確率がどれだけか、といったデータを表示している。F1カー一台には120を超えるセンサーが取り付けられていて、そのデータがレースに生かされている。
こうしたデータも元々は、レースチームが車とドライバーの状況を詳しく知るためのものだった。だが現在は、それをさらにAWSの上で解析し、消費者にわかりやすい形で提示するのにも使っている。