スポーツ

清原和博氏をYouTubeで見てその雑談力の高さを再確認した話

YouTubeでの清原和博氏は生き生きしていた(イラスト/ヨシムラヒロム)

YouTubeでの清原和博氏は生き生きしていた(イラスト/ヨシムラヒロム)

 元プロ野球選手によるYouTubeチャンネル開設が相次いでいる。豪華ゲストがたびたび登場する高木豊、選手の人事情報を公式より先に知らせる仰天の情報力をみせる里崎智也など、野球やトレーニングから日常のライブ配信に重心が動きつつある新庄剛志など、多士済々だ。そんななか、片岡篤史チャンネルにゲストとして清原和博が3回にわたって登場した。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、元プロ野球選手によるエピソードトークがなぜネットでブームになっているのか、彼らの「雑談」はなぜ面白いのかについて考えた。

 * * *
 先日、「元楽天イーグルスの一場靖弘が自己破産」といった記事を読んだ。そこで一場がYouTuberに転身したことを知る。プロ野球選手の中でもエリートにあたるドラフト1位投手だったのに……、一場の人生は波乱万丈である。そして、開設したという「一場靖弘のBASEBALLチャンネル」の動画を観て、驚いた。死にたい気分なって仕方ない現状にも関わらず、意外なほどに明るい。まるで何もなかったように自らの球史を紐解いていく。そして一場自身、我が野球人生において注力して語るべきことがピッチングにあらず、と理解している。視聴者が求めているのはドラフト制度を変えた「一場事件」だと。

 動画内で一場は「当たり前の感覚で栄養費という名の金銭を受け取ってしまった」と反省していた。これまた、意外なほどすんなりと球界の闇を暴露している。

 現在、YouTube業界に元プロ野球選手が続々と参加している。高木豊が先頭を切り、里崎智也が続いた。この2人のチャンネルの傾向は似ている。順位予想、技術論の解説、ゲストとのトーク、業界の裏話など、あくまでもテレビでも扱える野球ネタを主題としている。しかし、YouTubeといったメディアに視聴者が求めるものはテレビでは流せない話だったりするわけで……。

 高木豊が動画を初投稿したのが2018年4月、それから2年経たずして元プロ野球選手YouTuberは多様化し、一場のような暴露も辞さないキャラクターも登場した。誰もが送り手となれる時代の変化を感じる事象である。

 記事を読む限り、一場は将来的に指導者となり甲子園を目指したいとのこと。ならば、無闇にYouTubeに手を染めない方が良い気もした(難しいメディアだし)。しかし、それでも一場がYouTuberになったのは自己表現の場を探し求めた結果だろう。選手はプレーすることで称賛を浴びる。しかし、引退すればただの人、自身を表現する方法を失う。現在、多くいる元プロ野球選手YouTuberは活躍するフィールドを球場から動画に移したとも読める。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン