「エボラの感染力は強いのですが、患者との接触感染であることから、直接患者と相対するような機会がなければ感染はしません。また、ワクチンもできて、それほど心配はないのですが、こうした地域を訪れて、もし突然の発熱や頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等のような症状が出たら、その国の大きな病院や検疫所で検査を受けましょう。

 麻しん・風しんについては予防接種を受けていればまずかかりません。小学生以上の子供は就学前に2回のMRワクチン接種をしているはずですが、問題は30代以上の人たちで、免疫が切れていることがあります。特に風しんは、妊婦にうつすと胎児にも感染し、子供の目や耳、心臓に障害が出る先天性風しん症候群にかかって生まれる可能性があります。麻しん、風しんが流行している地域に渡航を予定している人は、医療機関で予防接種を受けたほうがいいでしょう。自治体からの補助があることが多いです」(外岡氏)

 海外の感染症流行については、インターネットの外務省「海外安全ホームページ」や厚生労働省「検疫所FORTH」で情報提供されているので、それらで渡航先の情報を参照していただきたい。

●取材・文/清水典之(フリーライター)

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