芸能

ビッグダディ元妻・美奈子の「私生活を丸裸」は芸の領域

本当に人生まるごとコンテンツ(イラスト/ヨシムラヒロム)

本当に人生まるごとコンテンツ(イラスト/ヨシムラヒロム)

 人生まるごとコンテンツ! と宣言しているインフルエンサーがいるが、本当に生きていることすべてをコンテンツにしているのは、ビッグダディの元妻、美奈子(36)ではないだろうか。長女の乃愛琉さん(18)の結婚と妊娠を発表して話題のYouTubeチャンネル『美奈子ファミリーTV』から、イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が私生活を丸裸にしてみせる芸の極まりぶりについて考えた。

 * * *
 クリスマスに人気芸人が元アイドルと結婚をした。ツイッターを覗くと「おめでとう!」といったコメントで溢れていた。確かにめでたいが、ツイートしている人には全く関係ない出来事である。他人事で喜ぶ人の多さに圧倒された。幸せな芸能人が更に幸せになっただけである。今の僕に多幸感ある他者の結婚を祝える余裕はない。また、大きすぎる幸せは現実感がなく、共鳴することも難しい。

 他人でも小さな幸せなら理解できるのに!なんて考えていた時、出会ったYouTubeチャンネルがある。それが『美奈子ファミリーTV』だ。どんな動画を配信しているのかを一言で表せば、美奈子の自叙伝のタイトルと同じ『ハダカの美奈子』。もちろんハダカとは比喩表現、裸の動画を配信しているわけではない(過去に美奈子はセミヌードを披露しているが……)。素材そのまんま、一切加工がされていない美奈子とその家族の現状が収められている。当然、編集も少なく、動画のクオリティは他のYouTuberと比べたら劣る。ただ再生数は中堅YouTuberクラス、最低でも5万再生、なかには60万再生もされている動画もある。

『美奈子ファミリーTV』は家族総出で盛り上げる生配信が多い。リビングに家族全員が集合し、リアルタイムで送られてくるメッセージに答えていくのが定番だ。他には美奈子と長女・乃愛琉(のえる)によるガールズトーク、夫婦の対談といったこともする。大方のYouTubeは動画を撮影する部屋が決まっているが、『美奈子ファミリーTV』は例外。家の全てがスタジオ、回によっては子供部屋から配信することもある。家族と家、使えるものは全てコンテンツにするのが美奈子スタイル。

 美奈子は『美奈子ファミリーTV』を始めた理由を聞かれた際、「楽しい家族の姿を見てほしい!」と話していた。確かに、美奈子を追ったドキュメンタリー番組で主に取り上げられるのは家族内のゴタゴタ。幸せな姿はコンテンツにならない、よってほぼ映っていなかった。

 また、『美奈子ファミリーTV』はバラバラになりやすい大家族を繋ぎ止める意味合いも含まれる。動画を撮影することを名目とし、家族が集まる機会を作り出している。2019年、『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)枠で放送された『新・漂流家族 2019夏~美奈子と夫と8人の子供~』では、長男・星音(しおん)と現在の夫が反目する様子が長時間流れた。いまいち家族にフィット出来ない星音に美奈子は「“家族みたい”には、なれたらいいよね」と話していた。僕はココに痺れた。美奈子は一般的な“家族”になることは既に諦めている。しかし、“家族みたい”にはなりたいと望む。美しい理想ではなく、シビアだが実現可能な真実を追かけ、それを子供に伝える。数々の修羅場をくぐってきた美奈子だからできる発言だ。

 チャンネルが始まった当初、星音は家族で唯一YouTubeに非協力的であった。ほぼ出演せず、カメラの前に登場する際は動物のマスクをかぶっていた。しかし、回数を重ねるごとに態度は軟化し、今では「長女長男と親子対談」といったタイトルの動画も公開している。動画を通して、義父とのいざこざは薄まっていることが伝わる。

関連記事

トピックス

創価学会の「自民党離れ」は今年4月の衆院島根1区補選でも
【自公連立終焉へ】公明党の支持母体・創価学会の「自民党離れ」が進む 岸田首相の「解散やるやる詐欺」に翻弄され“選挙協力”は風前の灯火
週刊ポスト
亡くなったことがわかったシャニさん(本人のSNSより)
《ボーイフレンドも毒牙に…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の死亡が確認「男女見境ない」暴力の地獄絵図
NEWSポストセブン
長男・正吾の応援に来た清原和博氏
清原和博氏、慶大野球部の長男をネット裏で応援でも“ファン対応なし” 息子にとって雑音にならないように…の親心か
週刊ポスト
殺害された谷名さんの息子Aさん
【青森密閉殺人】手足縛りプラスチック容器に閉じ込め生きたまま放置…被害者息子が声を絞り出す監禁の瞬間「シングルで育ててくれた大切な父でした」
NEWSポストセブン
竹内涼真と
「めちゃくちゃつまんない」「10万円払わせた」エスカレートする私生活暴露に竹内涼真が戦々恐々か 妹・たけうちほのかがバラエティーで活躍中
女性セブン
史上最速Vを決めた大の里(時事通信フォト)
史上最速V・大の里に問われる真価 日体大OBに囲まれた二所ノ関部屋で実力を伸ばすも、大先輩・中村親方が独立後“重し”が消えた時にどうなるか
NEWSポストセブン
攻撃面では試行錯誤が続く今年の巨人(阿部慎之助・監督)
広岡達朗氏が不振の巨人打線に喝「三振しても威張って戻ってくるようなのが4番を打っている」 阿部監督の采配は評価するも起用法には苦言
週刊ポスト
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
被害者の渡邉華蓮さん
【関西外大女子大生刺殺】お嬢様学校に通った被害者「目が大きくてめんこい子」「成績は常にクラス1位か2位」突然の訃報に悲しみ広がる地元
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン
京急蒲田駅が「京急蒲タコハイ駅」に
『京急蒲タコハイ駅』にNPO法人が「公共性を完全に無視」と抗議 サントリーは「真摯に受け止め対応」と装飾撤去を認めて駅広告を縮小
NEWSポストセブン
阿部慎之助・監督は原辰徳・前監督と何が違う?(右写真=時事通信フォト)
広岡達朗氏が巨人・阿部監督にエール「まだ1年坊主だが、原よりは数段いいよ」 正捕手復帰の小林誠司について「もっと上手に教えたらもっと結果が出る」
週刊ポスト