◆インバウンド効果と「酒蔵ツーリズム」 300万回を超えるPR動画も

 そして忘れてならないのが増え続けているインバウンドの影響である。年間3000万人を超える外国人旅行者たちが日本滞在中に日本酒文化に触れ、土産に購入していくケースが多い。

 観光庁が訪日外国人旅行者や日本に在住する外国人に行った調査(2017年12月から2018年1月=有効回答1064)によると、滞在中に日本産酒類を消費した人は85.4%だった。そのうち日本酒を消費した人は66.6%だった。

 一方、日本産酒類を土産として購入した人は67.4%。そのうち日本酒を購入した人は61.6%だった。消費、土産ともに他の酒類を引き離して日本酒がいちばん多かった。日本酒文化に触れた旅行者が帰国後に、現地の日本食レストランで味わったり、日本食材専門店で日本酒を購入するケースが増えているのだろう。

 ここ数年、注目を集めているのが「酒蔵ツーリズム」である。酒蔵を巡って蔵人と触れ合い、地酒を味わう。蔵元の土地の伝統文化を楽しむツアーに外国人の参加が増えているのだ。佐賀県の酒どころ鹿島市の「鹿島酒蔵ツーリズム」が先鞭をつけ、全国各地に広がっている。2017年にはインバウンド向けに土産用の酒の酒税を免除する制度も始まった。外国語に対応できる酒蔵も増加している。

 自治体も積極的にPR・販促活動に取り組んでいる。2012年度から6年連続で日本酒輸出が増えている福島県。2018年度は188klで前年比5%増。量的にはまだまだ少ないが、県は2018年8月、最大の輸出先であるアメリカ(全体の44%)・ニューヨークのワインショップ2店舗に福島県産日本酒の専用コーナーを設置。2店は約60銘柄を扱い、毎月試飲会を開催したところ、2018年度は月平均272本だった販売数が2019年度は407本に増加したという。

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