しかし、実際に弟子の三津が登場したことによって八郎のファンたちは、「八郎があれだけ誠実な男性として描かれているのは駆け落ちのフラグでは?」「喜美子と八郎がイチャイチャしているシーンがあるほど駆け落ちの前振りでは?と思ってしまう」「八郎が三津の弟子入りを『何やこの子』とむげに断る最悪の出会い方も駆け落ちのフラグでは?」と早くも疑心暗鬼の状態に。
ストーリー全体に目を向けても、銀座での個展が迫る中、八郎の創作が行き詰まる。そんなとき喜美子の才能に気づかされ、複雑な心境になる。悩む八郎を三津が励ますことで二人が接近し、それを見た喜美子は穏やかではいられない……。すべてのシーンが駆け落ちのフラグに見え、「やめて」「怖い」「信じたくない」などの声をあげはじめているのです。
◆黒島結菜は朝ドラスタッフの秘蔵っ子
もう1つ、駆け落ちのフラグとしてあげておきたいのは、スタッフと黒島結菜さんの関係性。制作統括・内田ゆきさんと、チーフ演出・中島由貴さんは、『アシガール』(NHK)で黒島さんを主演に抜てきし、現場で鍛え上げた言わば秘蔵っ子であり、物語を動かす大役を与えていることは想像に難くありません。これは裏を返せば、「もし本当に駆け落ちするのなら、嫌われ役となる三津をまかせられた黒島さんの真価が問われる」とも言えます。