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韓国との間の火種 2020年、慰安婦問題が再燃か

 実際は、日韓合意は無効で被害は起きていないという理由で韓国憲法裁は原告の訴えを退けた。

「憲法裁判所が判断を避けることは予想していましたが、言う必要の無いよけいな見解をわざわざ公表しているのです。『書面の交換や国会の同意がないので効力が不明』と言いますが、外交交渉の中身まですべて国会で審議するなど、現実にはありえません。北朝鮮に対する非核化交渉でも、どこまで譲歩するかを国会で審議したりしないし、約束を文書にしたりしない。無理のある理由と言わざるを得ない」(崔氏)

 外相同士、トップ同士が会談し約束したことを「効力が不明」と否定するのでは、外交は成り立たないはずだ。効力が不明と言うが、日本が「和解・癒やし財団」に拠出した10億円から、元慰安婦の生存者47人のうち34人が、遺族は58人が支給金を受け取ったという。これも無効というのだろうか。

 しかし、憲法裁判所がこうした見解を示した以上、その影響は計り知れない。

「今、韓国の世論は、18歳まで選挙権を与えることの是非に関する議論が盛んで、実は慰安婦問題はそれほど注目されていません。だから、韓国人の多くは『訴えが却下された』とだけ認識し、憲法裁判所の見解についてまで知っている人は少ないと思います。しかし、これから徐々に広まり、この問題が再燃する可能性は高いと言えます」(崔氏)

●取材・文/清水典之(フリーライター)

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