芸能

一味違う“素”の立川談志が聴けるファン必聴のCD

立川談志のCDの聞き所は?(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、故・立川談志さんの、初出音源商品の聞きどころについてお届けする。

 * * *
 昨年末、立川談志の初出音源商品が2つ発売された。1つはCD12枚組の「立川談志 県民ホール寄席」(日本コロムビア)。談志は1982年から2005年までの間に神奈川県民ホールで独演会を19回行なっており、そこで収録された音源からセレクトした15席が収められている。

【収録演目】『落語講座』(1982年)/『黄金餅』(1982年)/『紺屋高尾』(1985年)/『居残り佐平次』(1985年)/『源平盛衰記』(1988年)/『粗忽長屋』(1989年)/『二人旅』(1989年)/『小猿七之助』(1991年)/『洒落小町』(1997年)/『明烏』(1997年)/『つるつる』(1998年)/『やかん』(1999年)/『ずっこけ』(2001年)/『芝浜』(2001年)/『首提灯~鮫講釈』(2003年)

 談志の『芝浜』は2001年12月21日よみうりホールの独演会で劇的に進化し、談志自身その出来に興奮していた。ここに収められた『芝浜』はその6日後の口演だが、これがまた凄い。談志が満足した6日前の『芝浜』とはまるで異なる台詞を魚勝夫婦が勝手に言っている。既出音源のどんな『芝浜』とも異なる名演だ。

『落語講座』は県民ホール初登場の談志が「俺は今、落語をやりたくないんだ」と言って落語の歴史を分析したもの。だが客席から「落語を聴きたい」「『黄金餅』やってよ」という声があり、『山号寺号』を演って休憩に入ると、後半ではリクエストに応じて『黄金餅』を演じた。その『黄金餅』もここに収録(『山号寺号』はカットされている)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト