国内

馬鹿ブス貧乏なあなたはどう生きるべきか 女性名誉教授の解

低スペック女性向けの自己啓発本がないことに気付いたという藤森かよこさん。

 異色の自己啓発本である。人気コラムニストのジェーン・スーさんが、帯に「自己憐憫に唾棄したい人向け」と警告コメントを寄せている。『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください』(KKベストセラーズ)を上梓したのは、福山市立大学名誉教授の藤森かよこさん。自分の低スペックを何とかしたくて、自己啓発本を読み漁った挙句、低スペック向け女子の自己啓発本がないと気付いたという。「輝かしき幼年期も青年期も中年期もなかった。すべてが悪戦苦闘だった」藤森さんが伝えたい、これからの時代を生き抜くサバイバル術とは?

* * *

■理想の人にめぐりあわなくても幸せになれる

──「顔やスタイルで食っていけない」「一を聞いて一を知るのが精一杯」「賃金労働をしてぎりぎり食べていける」、そんな人向けに本を書かれた経緯を教えてください。

藤森:世の中の自己啓発書を読み漁ったんですが、私にとっては、誰がこんなことを実践できるんだろうと思う本がいっぱいあったんです。私はフェミニストですから、例えば上野千鶴子先生の本も読んでいますが、教えられることは多いものの、実践できそうなことがない。複数の方法で稼ぐ「マルチプル・インカム」を提言されていますが、そんな器用なことはできそうにないし、女性同士が助け合う「共助け」のネットワークを構築するよう推奨されていますが、私はあまり他人があてにできないし、他人の時間泥棒をしたくない……。

 私は2017年3月に、体調などの問題で、定年退職を一年早めて退職しました。ようやく時間もできた今、そして元気なうちに、低スペック向け女子の自己啓発書がないなら、自分で書いてみようと。とはいえ、おびただしい数の本が出版されている現状を見ると、中途半端な私のような人間が書く意味があるかと迷いました。が、夫ががんになったこともあり、収入の道を探る必要にも迫られて、書くことにしました。

── 一見、手に取りづらいタイトルながら、発売即重版、アマゾンでは星4.6と、高い評価のカスタマレビューが並んでいます。この反応についてはいかがですか?

藤森:正直言って、あまり読まれないだろうと思っていたので意外でした。今まで生きてきて、本当に自分が思ったことを言うと、ろくでもない反応しか返ってこなかったので(笑)。でも私は、綺麗ごとのない、こういうことしか書けないから書いたわけです。今の女性は頭が柔らかいし、幻想もないから、ひょっとしたら読まれるかもしれないという期待は、頭の片隅にはありました。

──「男がいなくても食ってゆけるが、仕事がなければ食ってはいけない」とある通り、女性が一人で自立して生きていくために必要なことを示されています。

藤森:私の若い頃は、結婚したほうが世の中を渡るのに安全という時代でしたから、私は結婚し、夫には感謝しています。今は、結婚はしてもしなくてもいいと思いますが、してもしなくても、生活はどんどん苦しくなっている。だから一人で自活して、他人に迷惑をかけずに食べていければ大成功。そのために必要なのは、理想と現実を分けて、自分が現実的にできることをやっていくことです。理想の人にめぐりあわなくても幸せになれるし、望んだ職業に就けなくても幸せになれることを、伝えたいと思いました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン