〈筒香は小学生の時に、松井秀喜(元ヤンキースほか)の打撃をビデオが擦り切れるほど見た。2015年の春季キャンプに松井から受けた「4番打者としての心構え」は1日たりとも忘れていないという。その時に松井からプレゼントされた直筆サイン入りのバットは「今でも大事な宝物」と笑顔で語る〉
子供の時はイチローさん、松井さんのバッティングを毎日見ていました。
松井さんは僕よりはるかに凄い方です。NPBだけでなくメジャーでもあれだけ活躍された方なので。当然、松井さんのような活躍ができれば理想ですけど、自分は自分でやれることをしっかりやっていきます。バッティングが期待されていると思うので、まずはバットで貢献したい。
ただ、野球には目には見えない貢献度というのがあります。同じ1本のホームランでも勝負の大勢が決まった時に打つのと、チームを勝利に導く1本では意味合いが違います。首脳陣が求める役割に100%貢献できるのが選手の理想だと思います。渡米してどんな役割を求めているか首脳陣にしっかり聞いた中で自分の役割を全うできるようにしたいですね。
──筒香のプロ10年間は決して順風満帆だったわけではない。稀代のスラッガーとして素質を認められ、多くの指導者から助言を受けた。時にそれが自身の意に沿わず、成績が低迷。トレードの噂が出るなど「野球人生の危機」を迎えた時期もあった。それでも、逆境からはい上がり、メジャー挑戦の夢を掴んだ。