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2020.03.15 07:00  NEWSポストセブン

初の刑事事件で露呈した「ふるさと納税」の闇と地方の苦境

 奈半利町では総務省の“ペナルティ”を踏まえ、昨年10月から「ふるさと納税返礼品協力事業者」の公募を始めた。「適正な返礼品の選定と業者の選定を行うため、選定委員会を設けて選び直した」(同町総務課担当者)。今回逮捕された返礼品業者はその選定委員会の“選考”をクリアしていた。町は癒着を見抜けなかったのか。

 奈半利町の一般会計予算は69億円(2019年度)。ふるさと納税の寄附金額はその3分の1に相当する。財政力指数0.20と全国市町村平均の0.51を大きく下回る財政難の町にとって、ふるさと納税はかけがえのない収入だ。今後、総務省がどんな措置を取るか分からないが、不指定団体にされるようなことがあれば町の財政への影響は計り知れない。今回の事件は全国的に見れば氷山の一角との見方が出ている。

 ふるさと納税が自治体と業者の癒着や利権構造をもたらしている可能性があるのであれば、全国的に返礼品や業者の選定過程をチェックする必要がある。

 事件の背景には、人口流出、人口減が続く地方自治体の財政難と硬直化した組織体制、人材難が浮かび上がってくる。

 そうした中、ふるさと納税を活用してコロナショックで打撃を受けた地方の給食食材納入業者など地方の業者、地方経済を支援しようという動きが出ている。災害時にも見られた動きだが、これこそ地方活性化に向けたふるさと支援という本来の趣旨に沿っているように思える。

 導入から10年以上経ったふるさと納税。地方活性化は遅々として進んでいない。今後も存続させていくのであれば、原点に立ち返って、本来の趣旨が活かされるような運用が不可欠だし、寄付する側の意識改革も必要ではないだろうか。

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