芸能

急激に消費されるミルクボーイ、売れっ子か一発屋か試練の春

M-1優勝で一躍、ブレイクしたミルクボーイ(公式HPより)

 昨年の『M-1グランプリ』(ABCテレビ、テレビ朝日系)を制し、さまざまな番組から引っ張りだこのお笑いコンビ・ミルクボーイ。しかし今、試練の春を迎えているという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 歓喜の『M-1グランプリ』優勝から3か月。テレビ業界では1クールの節目であり、さらに春の改編期を迎えた今、ミルクボーイの出演ラッシュが進んでいます。

 ただ気がかりなのは、彼らの出演内容。やっているのは“コンフレーク漫才”のアレンジ版ばかりなのです。3月の主な出演番組をあげると、2日の『成功の遺伝子』(日本テレビ系)では「ビートたけし」、4日の『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ系)では「志村どうぶつ園」「志村けんのバカ殿様」、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)では「今夜くらべてみました」、19日の『櫻井有吉アブナイ夜会』(TBS系)では「櫻井翔」、19日の『霜降りバラエティ』(テレビ朝日系)では深夜限定版として「体位の駅弁」、20日の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)では「ヒルナンデス!」、21日の『徹底追究ミステリー この間に何があった?』(TBS系)では「たこ焼き」「しらたき」「シャボネット」をテーマにしたネタでした。

 これまでもミルクボーイは、KAT-TUN、『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)、『VS嵐』(フジテレビ系)、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)などのアレンンジ版を披露してきました。また、映画『ハーレイ・クイン』、CM『Indeed』、CM『ホットペッパービューティー』などのアレンジ版も披露。つまり、テレビに限らず各業界から、「これも“コーンフレーク漫才”のネタにしてください」というオファーが殺到しているのです。

 通常の漫才でも、『NETA FESTIVAL JAPAN』(日本テレビ系)では「オレ(内海崇)」、『ザ・ベストワン』(TBS系)ではネタの原点となった「ビンゴ」、28日にも『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ系)で新ネタを見せる予定であり、これらもすべて“コーンフレーク漫才”。加えて、アンタッチャブル、ナイツ、かまいたち、乃木坂46、ガチャピン&ムックなど多くの有名人が“コーンフレーク漫才”をマネするなど、ここまで多いと、まるで流行語や一発屋のように消費されている感があります。

 どう考えてもこの状況がずっと続くとは思えないだけに、現在の出演ラッシュが落ち着くであろう今春以降は、ミルクボーイの真価が問われるターニングポイント。本物の売れっ子になるのか? それとも、消費され尽くして一発屋のようになってしまうのか? 彼らの現状と課題、今後の行方と可能性を占っていきます。

◆毒と自虐を織り交ぜたトークに進化の兆し

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン