今春の動きで注目すべきは、全国ネットのゴールデンタイム初レギュラーとなる『これって私だけ?』(ABCテレビ、テレビ朝日系)と、初のラジオ冠番組となる『ミルクボーイの煩悩の塊』(ABCラジオ)がスタートすること。ともにトーク、アドリブ、リアクションのスキルが求められる番組であり、『M-1グランプリ』の王者だからこそ見る人々の目はシビアになるでしょう。
そのトーク、アドリブ、リアクションこそミルクボーイの課題。今年1月に『めざましテレビ』(フジテレビ系)のマンスリーエンタメプレゼンターを務めたときは「コメントが難しい」と自虐してしまうなどボケ切れないシーンが目立ち、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)でコーナーMCを務めたときも台本とカンペを見てばかりな上に進行を間違えてしまいました。
各番組でエピソードトークを披露するシーンでも、その大半は駒場さんが妻と筋肉、内海さんが彼女と角刈りであり、オチに至る流れもほとんどなし。同じ『M-1グランプリ』ファイナリストのかまいたちとぺこぱが器用にトーク対応できていることもあって、スタッフと視聴者の懸念を拭い去れていないのです。
ただ、ミルクボーイのネタを見ればわかるように、彼らは笑いを誘うフレーズ選びがうまく、何気に毒気を混ぜるのも得意。実際に穏やかな語り口で、KAT-TUNに「(メンバーが)何人いるのかわからない」、『ヒルナンデス!』に「記事になるような攻めたコメントは誰もしない」などと放つ毒は、牧歌的な佇まいとのギャップもあって、今後の武器になるのではないでしょうか。
また、24日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で駒場さんが「自転車に乗ってると『全部の犯人に顔が似ている』と職質で止められる」「(ビート)たけしさんに週3で会ったので、もう慣れました」などのエピソードトークトークで爆笑を取りました。現在の出演ラッシュが落ち着き、しっかり準備する時間さえ取れるようにさえなれば、毒と自虐を織り交ぜたトーク、アドリブ、リアクションを見せて、課題を解消できるのかもしれません。
◆東京とテレビにこだわらない令和のスターに