国内

40代無職の子供部屋おじさん兄弟「俺たちはずっとこのまま」

「こどおじ」なら外出制限も平気(写真はイメージ)

「こどおじ」なら外出制限も平気(写真はイメージ)

 大人になっても休日を一緒に過ごし、何気ない日常をともに過ごす姉妹の話はよく聞くが、兄弟となると珍しい。仕事や人生がいまひとつうまくいかないと鬱屈する団塊ジュニアやポスト団塊ジュニアを「しくじり世代」と名付けた『ルポ 京アニを燃やした男』著者の日野百草氏。ドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系)での一路と二路の中年兄弟は、親が残した実家で暮らしながら無職ではなくなったものの、これまでとそれほど変わらない生活を送りそうな様子で最終回を迎えた。コタキ兄弟のように実家で暮らす40代無職の兄と弟が描く将来について、日野氏がレポートする。

 * * *
「いつまでも働かない兄弟がいてね、親も困ってる」

 旧知の老人からそう聞かされ、紹介してくれるというのでその兄弟に会ってみた。3月上旬、場所は神奈川県の三浦半島にある高級住宅地だ。その老人もお金持ちで御殿のような屋敷に住んでいる。兄弟とは駅前のカフェチェーンで待ち合わせをした。兄(45歳)の方は流行りのフレームのメガネをかけ、服もこざっぱりしている。弟(41歳)も髪はボサボサだが、どこにでもいる雰囲気だ。兄弟ともに40過ぎには見えない。中年男性にこういう言い方は失礼かもしれないが、二人とも細身で丸顔の幼い顔立ちで、個人的に嫌悪感を抱くような印象はまったくないが、その正体は兄弟揃って世間で敬遠されがちな無職中年男性だ。

「俺たちオタクじゃないんで、そこだけは勘違いしないでくださいね。呼び名は兄者(あにじゃ)と弟者(おとじゃ)で」

 そんな名前の人気YouTuberがいるが、そのことを尋ねると「なんですかそれ」と返されてしまった。とくに関係はないようで、兄弟ともにネットはするし匿名掲示板で一通りの罵詈雑言は書くが、ネット配信とかそういった方向には興味がないらしい。それにしても兄者と弟者というこの呼称、ルポに似つかわしくないが従うほかない。

「コロナ対策に文句言う奴ってムカつきません? 安倍首相はよくやってますよ」

 兄者のほうがいきなり切り出してきた。政治話が好きらしく、普通の日本人として当然だという。私は俗に言うネトウヨとかそういったレッテル話になるのが嫌なので、弟者のほうに新型コロナウィルスの影響で街も人が少ないといった世間話を振ってみる。

「外へ出なきゃいいだけじゃん。家でゲームやってればいい」

 そう弟者がつぶやいた。終始、スマホとにらめっこ。話せば軍艦を女の子に見立てたAというゲームを遊んでいる。私もAは好きだ。先にそのジャンルを開拓したKよりも後発のA派なのでしばらくその話で盛り上がりホッとした。弟者はゲームの話には饒舌だ。それでもオタクというわけではなく、あくまで暇つぶし程度だと言う。

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン