高速バスを待つ乗客ら(時事通信フォト)

帰省しようと高速バスを待つ乗客ら(時事通信フォト)

 未だ感染者がゼロの中国地方某県在住の堀田良子さん(20代・仮名)は、三月最後の週末、友人の結婚パーティーに参加するため、羽田空港に降り立った。彼女が口にしたのは、やはり「コロナ」に対する不安だ。

「東京はコロナウイルスが蔓延しているようなイメージで、家族にも行くなと止められてました。私も相当迷いましたが、仲の良い友人の結婚パーティーだし、割と覚悟を持ってきました。驚いたのは、マスクはしているものの、みんなが普通に暮らしていること。電車も多くの人が乗ってるし、居酒屋にもたくさん人がいます。地方在住で、ニュースしか見ていない私たちが想像していた東京のイメージとはだいぶ違いました」(堀田さん)

 パーティーは、当初参加する予定だった知人らの複数人が直前になってキャンセルし、一波乱もあったと話す。

「地元の友人が数人、行くのをやめたんです。結婚する友人はきて欲しいと思っていましたが、やむなしという感じだったのに、パーティー幹事の同級生が“怖がりすぎ”とか“情報に疎すぎ”、来ないなんてありえないと怒ってしまって。せっかくの楽しい集まりだったはずなのに、長い友人関係にひびが入るようなことになって残念です」(堀田さん)

 新型ウイルス感染者は増え続け、世界的に見ても感染だけでなく死亡者も増加の一途を辿る。国内では、ついに高齢者を中心とした重篤病罹患者だけでなく、若者の感染、重症化も報告され始めている。ウイルスの恐ろしさが日に日に明らかになってきている印象ではあるが、そんな混乱に振り回されて、良好だった人間関係まで破綻する、というのはただただ悲劇という他ない

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