国内

コロナ禍で巣鴨の縁日賑わせた高齢者、いかに家にいてもらうか

高齢者には、極力外出しないよう宅配や宅食をすすめたい

 新型コロナウイルス感染予防のため、不要不急な外出の自粛要請が出された4月4日の土曜日、“おばあちゃんの原宿”と呼ばれる東京の「巣鴨地蔵通り商店街」では縁日が開かれていた。

 そこには自粛中とは思えないほどの人が集まり、ほとんどは高齢者だった。なかには「若者が家にいてくれてありがたいよ。コロナなんて若い人がいなけりゃ感染しないよ」とうそぶく高齢者もいた。

 しかし、高齢者はもともと重症化、そして死亡リスクが高いことを忘れてはならない。千種病院の総合内科医である近藤千種さんが説明する。

「年配のかたは免疫力が下がっていたり、持病を持つ人が多いので新型コロナウイルスにかかりやすく重症化しやすい。高齢者ほど感染のリスクを避けて、生活に細心の注意を払うべきです」

 重症者が増えれば増えるほど「医療崩壊」を招く恐れがある。感染者が多いイタリアでは病院の集中治療室で治療を受けている70%が60才以上だ。しかし、人工呼吸器など医療設備が不足し、70才以上の患者の集中治療室受け入れを断っている病院もある。苦渋の「命の選別」である。

 高齢者が感染リスクを避けることは自分だけでなく、その他大勢の命を救うことにつながることを強く認識すべきだろう。

 そこで重要なのは「60才以上をなるべく家から出さないこと」である。

「感染リスクが大きい高齢者ほど屋外での活動を自粛してもらいたい。そのためには周囲のサポートが必要です」(厚労省関係者)

 いま、高齢者を守るために私たちは何をすべきなのか。

◆テレビを見ながらストレッチを

 生活のために欠かせないのが、食材などのスーパーでの買い物である。できることなら家族などが代行して高齢者が外出する機会を少なくしてほしい。しかし、ひとり暮らしの高齢者はどうしても自分で買い物に行かなければならない。

 坂根Mクリニック院長の坂根みち子さんは「ネット宅配の利用」をすすめる。

「いまは『ウーバーイーツ』や『出前館』、『ワタミの宅食』など宅配サービスが充実しているので躊躇せずに利用してほしい。しかし、スマホでの注文になるので、高齢者はなかなか注文しづらい。その際は、家族がやり方を教えたり、メモを残すなどサポートすることが大事です」

 宅配された品物は玄関前などに置いてもらえば、配達員との接触も避けられる。ただし、段ボールに付着したウイルスの生存期間は24時間なので、除菌は徹底したい。

「宅配なんて…」と拒否反応するシニアもいるかもしれないが、最近の宅配レベルを甘く見てはならない。

「いまは『アマゾン』や『生協』などを利用すれば、出来合いのものでなく、新鮮な野菜や肉、魚などを家まで運んでもらえます。自炊派のかたにもおすすめです」(前出・近藤さん)

 ネットで簡単に頼める食材を使って、自粛期間を機に凝った料理を作るのもストレス減少につながる。

関連記事

トピックス

復帰会見をおこなった美川憲一
《車イス姿でリハビリに励み…》歌手・美川憲一、直近で個人事務所の役員に招き入れていた「2人の男性」復帰会見で“終活”にも言及して
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相の「官僚不信」と霞が関の警戒 総務大臣時代の次官更迭での「キツネ憑きのようで怖かった」の逸話から囁かれる懸念
週刊ポスト
男気を発揮している松岡昌宏
《国分騒動に新展開》日テレが急転、怒りの松岡昌宏に謝罪 反感や逆風を避けるための対応か、臨床心理士が注目した“情報の発信者”
NEWSポストセブン
水原受刑者のドラマ化が決定した
《水原一平ドラマ化》決定した“ワイスピ監督”はインスタに「大谷応援投稿の過去」…大谷翔平サイドが恐れる「実名での映像化」と「日本配信の可能性」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン
現在は三児の母となり、昨年、8年ぶりに芸能活動に本格復帰した加藤あい
《現在は3児の母》加藤あいが振り返る「めまぐるしかった」CM女王時代 海外生活を経験して気付いた日本の魅力「子育てしやすい良い国です」ようやく手に入れた“心の余裕”
週刊ポスト
熊本県警本部(写真左:時事通信)と林信彦容疑者(53)が勤めていた幼稚園(写真右)
《親族が悲嘆「もう耐えられないんです」》女児へのわいせつ行為で逮捕のベテラン保育士・林信彦容疑者(53)は“2児の父”だった
NEWSポストセブン
リクルート社内の“不正”を告発した社員は解雇後、SNS上で誹謗中傷がやまない状況に
リクルートの“サクラ行為”内部告発者がSNSで誹謗中傷の被害 嫌がらせ投稿の発信源を情報開示した結果は“リクルートが契約する電話番号” 同社の責任が問われる可能性を弁護士が解説
週刊ポスト
上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン