スポーツ

プロ野球16球団構想、過去の例から学ぶ球団増の弊害とは

古田敦也氏も16球団構想に言及(写真:時事通信フォト)

 4月4日、テレビ西日本の『徹底討論“球団拡張”』で元ヤクルト監督の古田敦也氏がプロ野球16球団構想について明かし、静岡市、新潟市、松山市、沖縄県と協議を行なっていると判明した。2004年の球界再編時には、オーナー側が10球団での1リーグ制を目論んだが、日本プロ野球選手会会長の古田氏が尽力し、ファンの後押しもあり、2リーグ12球団を維持できた。その古田氏が推し進める『16球団構想』は実現するのか。野球担当記者が話す。

「本当に増やして大丈夫なのか、よく検討する必要はあるでしょう。たとえば、1950年の2リーグ分裂時、セ・リーグ8球団、パ・リーグ7球団で始まりましたが、紆余曲折を経て両リーグとも6球団に落ち着きました。もちろん古田敦也氏のことですから、過去のことも調べているとは思いますが……」(以下同)

 セ・リーグは1953年、パ・リーグは1958年に現在の6球団になった。2リーグ分裂の年、1試合平均の観客動員数はセ4452人、パ4200人だった。1953年、6球団になったセは9295人に伸ばし、7球団のままのパは8275人。この時点では、人気にあまり差が付いていなかった。

「セは球団を減らすことで、試合の質を上げ、優勝争いと関係のない消化試合も少なくなった。この時、パはセと逆に、球団を増やすことで人気を上げようとした。大映の永田雅一オーナーが中心となり、1954年に新球団の高橋ユニオンズが誕生しました。しかし、観客動員は増えるどころか、減る一方で2年後の1956年には1試合平均4950人まで落ち込んだ。8球団は多過ぎて、大きな戦力格差が生まれるため、消化試合も多くなり、人気を下げてしまったのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン