メルカリをやるうえで僕が大事にしているのは、値付けのリサーチをしないこと。面倒くさいという理由もありますが、自分にとっては要らない物だったのだから、それが断捨離できて幾らかでもお金になって、しかも相手方さんに喜んでいただけるのなら、「めでたし、めでたし」。儲けのためではなく、ストレスを溜めずに楽しんでやっているからこそ、長く続けられるんだと思います。
また、お互い匿名とはいえ、買ってくださった方とのメッセージの交流も貴重な時間です。添えたお手紙や梱包の仕方などでお褒めに預かるとつい嬉しくなって、次も楽しみになります。売れた快感と充実感をたくさん味わいたいから、複数の物を同時に出品せず、1品売れたら次の物を出すようにしています。
高齢者の中には、スマホをお持ちでもそんなに活用できていない方は多いと思います。フリマアプリに抵抗感のある方もいるでしょう。でも、思いのほか簡単なので、少しトライしてみてはいかがでしょう。最初は出品されている物やお値段を“ウインドウショッピング”であれこれ眺めているだけでも楽しいですよ。
いざご自分で挑戦する際には、あまり根を詰めずに、悩んだら一旦やめちゃえばいいんです。僕らのような年寄りは頑張りすぎると疲れちゃいますし、放っておいても危ないものではないですからね(笑い)。そして、気が向いたらまたコツコツとやる。そういう楽な気持ちでやっていたら、そのうち慣れてくると思います。
【プロフィール】ささい・えいすけ/俳優。1958年生まれ、石川県出身。1984年劇団「花組芝居」を旗揚げ。1990年に退団後は数々の舞台やドラマ、映画などで活躍。1992年には第29回ゴールデンアロー賞演劇新人賞を受賞。
※週刊ポスト2020年5月1日号