この独断専行について、本来、財務大臣である麻生太郎・副総理が総理に意見すべき立場でその責任があった。しかし、麻生氏は森友文書改ざんの不祥事で役人を処分しながら自分の責任は取っていない。安倍総理が盟友の麻生氏を守ったからです。その恩義があるから総理の言いなりです。
いまや総理を動かしているのは官邸官僚といわれるが、官僚の視野は非常に狭い。彼らの政策判断は目先の内閣支持率だけを意識したもので、だから政策の歪みが生まれている。総理のそばにいる政治家がそれを改めさせなければ、日本の再建はできない。
【プロフィール】やまさき・たく/1936年生まれ。1972年初当選。自民党幹事長、党副総裁、防衛庁長官や建設大臣などを歴任。
※週刊ポスト2020年5月8・15日号