「ボイコット後、なんとかもう一度と自分を奮い立たせましたが、4年という時間はあまりに長かった。目の前にある、年に一度の世界選手権やアジア大会に向けて練習することで、気持ちを持続させました」
現役の体操選手で、東京五輪の延期によって特に大きく運命を左右されそうなのが、ケガで出場が危ぶまれていた内村航平、白井健三ではないだろうか。
「今年8月に24歳になる白井君にとっては、怪我の回復という点で幸いするかもしれない。しかし、32歳で迎えることになる内村君にとっては、体力的にも精神的にも、厳しい1年になるかもしれない。しかし、1%でも可能性があるのなら、それを信じて、目指していってもらいたい」
そう話す梶谷は、29歳という体操界では“大ベテラン”の年齢でロス五輪に出場し、団体で銅、平行棒で銀を獲得した。
※週刊ポスト2020年5月8・15日号