◆誰もが声を挙げる自由がある
──最近では、ナインティナインの岡村隆史さんの『岡村隆史のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)の発言について、ツイッターで批判されていました。
藤井:あれは女性差別や職業差別などいろんな問題を含んだ発言で、批判すべきだと思いました。多くの人が声を挙げることで、岡村さんが謝罪し、世の中にこれはいけない表現なんだという問題の可視化ができたのはよかったと思います。私としては、岡村さんに番組を降りてほしいというよりも、岡村さんが出ている番組「チコちゃん」(「チコちゃんに叱られる!」)でフェミニズム特集をやってほしいなと思っていたんです。岡村さんもフェミニズムについて学べるだろうし、すごく注目も集まるでしょうし。
たとえばアメリカでは、「Peloton(ぺロトン)」という室内バイクのコマーシャルが性差別的だと炎上したことがあったんです。そうしたら、俳優のライアン・レイノルズさんがそのCMに出ていた女優さんを、自身がオーナーを務めるジンのCMに起用。その内容が皮肉の入ったアンサーCMのようになっていて話題を呼びました。
そう思っていたら、翌週のラジオに矢部(浩之)さんが登場されて、足らない部分はあれど、部分的にその役割を果たしたような気はします。が、ちゃんとフェミニズムの専門家3人と並んで話ができて、それを世間と一緒に見ることができたら、素晴らしい機会になるのにと思っています。
岡村さんが出演番組を降板すべきと声を挙げるのも自由だと思います。一人の人間の発言や行動に対してさまざまな意見があって、誰もがそれを言う権利がある。それ以上でもそれ以下でもないと思っています。