ビジネス

巣ごもり特需で最高益の日清食品 「出前ラーメン」に進出も

不動の人気を誇る日清「カップヌードル」(時事通信フォト)

不動の人気を誇る日清「カップヌードル」(時事通信フォト)

 コロナ自粛の“巣ごもり特需”で売れた物のひとつに、カップ麺がある。中でも不動のトップブランド「カップヌードル」を販売する日清食品の業績は堅調だ。ジャーナリストの有森隆氏が、すでにコロナ後も見据えた事業展開を図る日清食品の「強さの秘密」に迫った。

 * * *
 新型コロナウイルス対策で多くの人が外出を控えたことによる“巣ごもり消費”が追い風となり、カップ麺メーカーは好決算に沸いている。小中高校の臨時休校や在宅勤務が広がり、外出を避けるためにカップ麺や冷凍食品など保存できる食品をまとめ買いする動きが数字となって表れているのだ。

 特にリーディングカンパニーの日清食品ホールディングス(HD)の2020年3月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高にあたる売上収益が4688億円。前の期に比べ4.0%増えた。純利益は293億円と同51.5%増。2期ぶりに過去最高益を更新した。主力ブランドである「カップヌードル」や「どん兵衛」が変わらず支持されたのがその要因だ。

「カップヌードル」ブランドの年間売上高は初めて1000億円の大台を超え、昨年発売した「カップヌードル 味噌」も熱烈な人気を集めた。同商品は3種類の味噌を使用し、ショウガとニンニクでアクセントをつけ、濃厚ながらすっきりした後味が人気を呼んだ。十分な供給量を確保できない状況となったため、販売を一時的に休止したほどだ。

 傘下の明星食品のカップ麺「チャルメラ」「中華三昧」などを加えた同社の即席めん事業の売上高は実に2378億円に及び、前の期より117億円増えた。ざっくりした数字になるが、この117億円が“巣ごもり消費”の特需分といえそうだ。

 株価も堅調だ。東京株式市場で日経平均株価が下落する中、コロナの影響が軽微な「巣ごもり銘柄」が逆行高を演じているが、日清食品HDも例外ではない。3月27日の株価は10年来高値の9440円をつけた。昨年末比16.2%上昇したことになる。その後も高値圏で推移。5月22日の終値は前日比横ばいの9050円だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン