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1980年代の巨人投手陣を牽引した江川卓と西本聖の凄さ

 1980年から6年連続で江川と西本の2人が2ケタ勝利を挙げている(※江川は1987年まで8年連続)。1981年は江川20勝、西本18勝で、チームの73勝の半分以上である38勝を記録。この年、チームの投球回数の4割以上を2人で占め、巨人はV9の1973年以来、8年ぶりの日本一に輝いた。

「ドラフト外の西本は、入団当初は同期で1位の定岡正二にライバル心を燃やした。先発の一角に食い込んで定岡を抜いたと認められた頃に、江川が入団した。西本はエリートコースを歩んできた投手に対して、反骨心をむき出しにして、自分を高めていくタイプの投手でした」

 西本はシーズンでは江川の勝ち星を上回ることはできなかったが、日本シリーズでは1981年に2勝(2完投1完封)でMVP、1983年も2勝(2完投1完封)で敢闘賞を受賞。江川が開幕投手を務めた年は3位、2位、3位、2位に終わったが、西本が開幕投手を努めた年は優勝、優勝、3位、優勝という結果に。プロ野球ファンの間では、江川は勝負弱く、西本は勝負強いというイメージも出来上がった。

 巨人が江川と西本を擁した1980年代、広島は“投手王国”と呼ばれ、北別府学、大野豊、川口和久、山根和夫などの好投手がいた。この10年間で、北別府は137勝を挙げており、両リーグを通じて勝ち星トップ(2位は江川と西本の126勝)。2ケタ勝利の回数は北別府9回、大野、川口5回、山根4回だった。ただし、チーム内の2人で30勝以上を挙げたのは1982年の北別府20勝、津田恒美11勝、1986年の北別府18勝、川口12勝(金石昭人も12勝)の2年に留まっている。

「チーム内に確実に勝ち星を計算できる投手が2人以上、長年にわたって存在することはほとんどない。だが、江川と西本は1980年から5年連続で、2人で30勝以上を挙げている。しかも、1980年の西本の14勝を除いて、全て15勝以上。

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