マンション売却で先行き不安解消する動きも(時事通信フォト)

マンション売却で先行き不安解消する動きも(時事通信フォト)

 今回のコロナ禍は、ほぼ突然にやってきた。4月8日からの緊急事態宣言下で、多くの企業は減収を余儀なくされた。当然、減益になるだろう。従業員に支払う給料やボーナスも結果的に減らさざるを得ない会社は多いだろう。サラリーマンの多くは、この夏のボーナスも去年ほどはもらえないはずだ。残業代などが吹き飛んで、予定していた収入に達しない人もいるだろう。

 雇用が守られている場合はまだいい。契約社員や派遣社員など、非正規雇用で働く人々の多くは職を失うかもしれない。すでに、解雇や雇い止めになった方は1万人を超えたという報道もある。

 コロナ禍による、こういった予定外の収入減で住宅ローン返済ができなくなる人が増えても不思議ではない。そういった場合、仕方なくマンションを売却することで苦境を脱しようという決断をするケースも多い。

 一方、飲食店経営者等も経済的な苦境に喘いでいる。自粛要請を受け容れたことで得られる行政側からの様々な補填が、必要な額に達するとは思えない。資金的に行き詰まる経営者も少なくないだろう。

 彼らもお店がうまくいっていた時に、マンションを購入していたかもしれない。そういった飲食店経営者が、店を手放すか、あるいはマンションを売るかの決断に迫られることもありそうだ。不況下では、多くの人が現金を手元に置きたがる。先行きに不安があれば、すぐにでも自由に使える確実な資金を持っておきたいものだ。

 2015年ごろから東京都心や湾岸エリアのタワーマンションは、外国人の購入が目立っていた。あの当時、タワマンの売り主企業はわざわざ外国の大都市で「日本の不動産フェア」的なイベントを開催して、販売活動を行っていた物件もあったほどだ。しかし今、コロナ不況の到来でそのようなタワマンも資産価値が下落することが確実視されている。

 もはや外国人の多くは、日本の不動産に愛着を持たない。特に東アジア系の外国人は、日本人よりも損切りに躊躇しない傾向がある。「売れるものは売る」、「下落しないうちに売る」というモチベーションが、即座に行動に変わることも十分に考えられる。

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