自身、かつては水泳インストラクターの道に限界を感じ、一路フィットネスの本場アメリカへ。だが帰国後にフィジカルとメンタル両面を指導できるトレーナーとして信頼を獲得するには、歳月を要したとか。

「本場で理論も学んだし、きっと引く手数多だと思いきや、一時的にクライアントがついても、成果が出ずに皆さん辞めていくんです。私は最新の運動理論を提案したはずで、サボったのは貴方でしょ? なのになぜ私がクビになるのかと、ずっと納得できませんでした。

 そこで勉強し始めたのが行動変容論です。健康心理士の資格を取り、指導に生かすうちに、成果が格段に上がるようになりました。人間には命令されたい人とそうでない人がいて、特に続けられるかどうかはモチベーション次第なんです」

 本書では「編集者編」から「地方都市の営業マン編」や「農家編」まで、各章に3~10名の「運動嫌い」が登場。座談会形式で赤裸々なトークが展開するが、興味深いのは専ら聞き役に徹し、相手をいつの間にかその気にさせてしまう、著者の聞き上手っぷりだ。

「これはクライアント中心療法といいます。相手が私と話すうちに問題に気づき、解決方法を見出すのが一番いい。私はそのお手伝いや助言をするだけなんです。その根底には『過去と他人は変えられない』という考えがあります。

 トレーナーから命令され、監視されるタイプのジムもありますが、大抵は逃げ出したくなるはずです。私はクライアントと死ぬまで一緒にいたいんですよ。そのためにも『私が貴方を変えるんじゃない、貴方が貴方自身を変えるんです』という姿勢は、本書でも一貫しています」

◆外出自粛時の活動低下は「入院」同然

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