ライフ

口が臭いと新型コロナ感染リスクが高まる 歯周病菌の脅威

舌苔がたまっている「舌みがき」も習慣にしたい(写真/GettyImages)

 年を取ると、若い頃よりも口臭が気になってくる人も多いはず。「口臭の原因は歯周病菌が8~9割」と語るのは、紀尾井町プラザクリニック理事長で歯科医の根深研一さんだ。

「50代以上の日本人の9割は歯周病です。歯周病は歯と歯茎の境目にある『歯周ポケット』と呼ばれるごく狭い隙間に歯周病菌が入り込んで起こる炎症です。放っておくと、歯周ポケット内の毛細血管から歯周病菌が入り込んで、それが全身をめぐる。その結果、動脈硬化や糖尿病、がんなど、全身の重大な病気につながるのです」(根深さん・以下同)

◆口臭がきついとコロナリスクが上がる

 そのほかにも、「血栓ができた場所を調べてみたら、そこに歯周病菌がいた」「アルツハイマー病を患っている人の脳から歯周病菌が発見された」など、歯周病菌と重大疾患の関係を示す事例は多い。肺の中に菌が入れば、誤嚥性肺炎を招く一因となる。すると、新型コロナウイルス感染症にかかった場合に重症化する可能性が高まる。

 さらに恐ろしいことに、誤嚥性肺炎にならなくとも、歯周病患者は、新型コロナウイルスの感染リスクが高いと根深さんは言う。

「歯周病菌が出すたんぱく質分解酵素は、新型コロナウイルスが粘膜から感染するリスクを上げるといわれています。さらに、新型コロナウイルスが体内に侵入する“入り口”となる『ACE2受容体』が最も多いのは“舌と口腔粘膜”なのです。こうした観点からも、口腔ケアはとても大切なのです」

 舌が白く見え、口臭がするほど舌苔がたまっているのは、新型コロナの“受け入れ態勢”が整っていると考え、ケアを徹底した方がよさそうだ。

 高齢者ほど重症化しやすいといわれる一因に、加齢による口腔内の不調があるのかもしれない。

 では、どうやって口腔ケアを行ったらいいのだろうか。根深さんは、食後だけでなく、朝起きたときも口腔ケアすることをすすめる。

「夕食後に歯みがきをしても、眠っている間に雑菌は増えます。朝起きたときの口臭が強いのはそのためです。朝食の前に歯と舌をみがくのがいちばんですが、寝起きにうがいをするだけでも効果があります」

“起き抜けのブクブク”を、明日から取り入れてほしい。

関連記事

トピックス

田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
“高市効果”で自民党の政党支持率は前月比10ポイント以上も急上昇した…(時事通信フォト)
世論の現状認識と乖離する大メディアの“高市ぎらい” 参政党躍進時を彷彿とさせる“叩けば叩くほど高市支持が強まる”現象、「批判もカラ回りしている」との指摘
週刊ポスト
国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
前伊藤市議が語る”最悪の結末”とは──
《伊東市長・学歴詐称問題》「登場人物がズレている」市議選立候補者が明かした伊東市情勢と“最悪シナリオ”「伊東市が迷宮入りする可能性も」
NEWSポストセブン
日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
《追及スクープ》日本維新の会・西田薫衆院議員の収支報告書「虚偽記載」疑惑で“隠蔽工作”の新証言 支援者のもとに現金入りの封筒を持って現われ「持っておいてください」
週刊ポスト
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン