国内

常磐線沿い、40代スナックママ 客入り1割で貯金切り崩す日々

コロナでみんな変わっちゃった

コロナでみんな変わっちゃった

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためと休業要請を求められた時期に、生き残りをかけてビデオ接客で収入確保につとめる「オンラインスナック」が話題になった。スナックとは、ママもしくはマスターがカウンター越しに水割りをつくるなどして対面接客をする、セット料金3000円程度で楽しめる店のことで、多くはカラオケがある。前回の東京五輪、1964年前後に生まれた業態と言われるスナックが、いま、全国で危機に直面している。仕事や人生がいまひとつうまくいかないと鬱屈する団塊ジュニアやポスト団塊ジュニアを「しくじり世代」と名付けた俳人で著作家の日野百草氏が、今回は、常磐線沿いのスナックママ40代の嘆きと憤りをリポートする。

 * * *
「自粛も終わってこれからと思ったのに、お客さんが全然来ないの」

 常磐線沿線の駅近、茨城県南のスナック。本当に小さな店で、私は雨の中、指定された場所がわからず難儀した。ノンフィクションを執筆して以来、私の仕事用メールアドレスにはタレコミが来るようになった。そのほとんどはオタク関係の業界暴露や批判と、SNSの誹謗中傷相談で申し訳ないがスルーさせていただいているが、今回のように実際のお店や人物の話は行ってみようかという気持ちになる。

「コロナでここまでみんな変わっちゃうなんて思わなかった」

 スナックのママは40代には見えない容姿、若々しくて美人だ。カラフルなプリントのワンピースは高級ブランドのもので、スレンダーなママによく似合っている。しかし店を始めた経緯やママの人生は話す気はないと最初にピシャリと言われてしまったのでここまでにとどめる。それ以外も話せないことが多いと現地で知らされて、申し訳ないが取材としては遠くまで来たのに少々空振りだ。

「スナックもキャバクラも一緒くただもんね、まったく、夜のお店ってひとくくりにされて迷惑よ」

 緊急事態宣言はすでに解除されている。茨城県に至っては早々の解除で5月14日。休業要請そのものも6月8日には解除された。しかしママの店はこの2ヶ月近く閑古鳥で客足は以前の1割くらいだという。

「常連さんも全然来ない。連絡の取れなくなった人もいる。ちゃんと休業要請には従って、コロナ対策も小さな店で出来ることをやってるのに、理解されなくて」

 歌舞伎町を始めとした夜の街のクラスター騒ぎは収まる気配がない。これはそのまま全国の夜の街、店も影響を受けている。ただでさえコロナウイルスの恐怖と三密とで客足が遠のいたあげくの自粛、そして解除後も続くクラスター ―― すべてが夜の店というわけではないが、悪目立ちしているのが現状だ。

「それに最近またクラスターでしょう? 『昼カラ』やってたスナック、北海道なんて遠い話なのに、同じにされちゃうのよ」

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト