──1992年の参院選に当選した彼女は、翌年には衆院選に鞍替えし、鴻池さんのいる旧兵庫2区から出馬。彼女は土井たか子に次ぐ2位で当選し、鴻池さんは落選します。
浜渦:本当にひどいと思いました。鴻池さんの落胆は大きかったでしょう。ただし、鴻池さんにも私にも、3人してガード下で焼き肉を食べた思い出はある。だからこそ鴻池さんは小池家について最期まで黙っていたし、私も語ってこなかった。
◆石原家への恨み
──その後、自身も都知事になった彼女の標的になりました。
浜渦:前任者の活動を全否定するのが新しい人の在り方だし、過去の否定こそが小池家の教えです。まず石原慎太郎がターゲットにされ、そのあとに一番いじめやすい私が選ばれたんでしょう。
彼女には慎太郎さんではなく都連会長だった石原伸晃さんに対する恨みつらみがあった。都連の会合に呼ばれないと。伸晃さんに言わせると彼女が来ないということになるが、2人の関係が悪かったから、都知事になったあとに石原批判が始まったんです。彼女の標的は、慎太郎さんだけでなく石原家全体だった。
──かつては石原さんから、「小池さんを後継に」という話もあったと聞いています。
浜渦:実際に石原さんが辞めた後にその話はありました。石原さんから直接「どうか」と言ったと。百合子さんからも聞きました。しかし彼女のほうから断わったと。
実は彼女が都知事選に出馬する前に、私に電話があったんです。選挙を手伝ってほしいというお願いだったようですが、電話に出ませんでした。私は石原さんに恩義がある。石原さんがOKと言えば手を貸したでしょうが、許可がないのに勝手なことはできません。
その都知事選で石原さんは百合子さんを「厚化粧」と言って批判を浴びましたが、アザのことは知らなかったんです。