ニューヨーク市刑事裁判所に入る元映画プロデューサー・ワインスタイン。立場を利用した数々のセクハラや性的暴行が明るみに出たことをきっかけにmetto運動などの社会現象へと繋がった(AFP=時事)

ニューヨーク市刑事裁判所に入る元映画プロデューサー・ワインスタイン。立場を利用した数々のセクハラや性的暴行が明るみに出たことをきっかけにmetoo運動などの社会現象へと繋がった(AFP=時事)

 上条さんのポジティブ思考は生まれながらの富裕層ならではだ。その心の余裕は安定と成功を約束する。貧乏人の子は思考からして不安定で失敗を繰り返すとまでは言わないが、富裕層の生まれながらの成功思考にはかなわない。私見だが、年をとってくるとよくわかる。お金プラスそれも上条さんの魅力なのかもしれない。

「私なんかたいしたことないです。資産家の中にはもう女の子なんか飽きたって人もいますよ。だから有名アイドルグループとか、手が届かないくらいの女の子にチャレンジする猛者もいますし、実際に付き合ったりしてます。私は落ちてきた女の子を拾うだけですけど、とんでもない資産家はとことん上を狙います。本当の金持ちにはそういう話も降って来るんです」

 どこまで本当かわからないが、パトロンという意味では昔から存在する連中だ。私も某人気声優のパトロンくらいは知っている。かつての往年の女優とも旧知の仲だが、昔の映画界は「金持ってる男、見つけてこい」と事務所の社長や先輩女優から言われたり、そういう金持ちを紹介されたという。この辺はハリウッドを中心とした「MeToo」運動で批判された事柄そのものだが、是非はともかくエンタメ業界と性は切っても切り離せない、いや男女の仲とは金銭の介在も含めてそれ抜きに語ることは現実問題として無理だろう。そこに男女の違いはない。女の子を買い漁るおっさんも、男の子を買い漁るおばさんも ―― 。

「もちろん素人もいますよ、学生が多いですね。お小遣い稼ぎより学費とか生活費かな。美少女ではないけど、素人の若い子ってのがいいんです。教え込むって感じがたまりません」

マンション1棟買って、女の子たちを住まわせようか

 下衆と言ってしまえばそれまでだが、これが現実だ。人間とは他人のことにはひどく道徳的になる生き物だが、誰も清廉潔白に生きてなどいないし、上条さんのような無名の資産家だったとして、欲望を抑え込めるかと言ったら自信はないだろう。口ではどうとでも言える。現にSNSの検索で「パパ活」とでも入れてみるがいい、悪名高い匿名掲示板でもいいだろう、全部が釣りや騙しではない。ネットどころかリアルの秘密サロンでは信じられない性の悪徳が繰り広げられている。それはコロナ禍でも変わらないどころか、より「上玉」が金で手に入り、フィクションのような行為が繰り返されている。お育ちよろしい大学のセンセが吠えてみてもこれは現実である。上条さんたち男はもちろん、少女たちとて肝心の金をくれないセンセの言うことなんか聞きやしない。

「今日の夜も会うんですよ、ワンルーム借りてあげてるんで、彼女の部屋に一泊です」

 上条さんは本当に嬉しそうだ。富豪というわけではない彼だが、ワンルームを借りてやるくらいはわけもないだろう。

「いっそワンルームマンション一棟買って、そこに私の面倒見てる女の子たちを住まわせたいと思ってますよ、冗談じゃなく、マジで」

 なんだか中国の後宮やモンゴル帝国のオルドのようだが、実現したらまさにハーレム、ただ女の子も思惑はいろいろ、上条さんが殺されたりしないことを祈るばかりと冗談めかして言ってみたが、上条さんは笑った。

「それで殺されたら本望ですよ、男の夢です、コロナで死ぬよりそっちを選びます」

 どこまでもポジティブ、羨ましいくらいに欲望を生きている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン